（Photo：XINHUANET）
ブラジルに住む170以上の先住民族、約6,000人が、ブラジリアの国会議事堂に向かい、最高裁判所（Supremo Tribunal Federal：STF）のギルマル・メンデス（Gilmar Mendes）判事が提案した調整のテーブルに抗議した。この提案は、先住民の領土境界設定を阻止する意図があるとされている。
ソーシャルメディアを通じて公開された映像には、参加者がブラジリアの外務省広場（Explanada de los Ministerios）から最高裁判所本部に向かって行進する様子が映されている。
自らの領土の境界設定を求める掲示を持った先住民たちは、彼らの未来が売りに出されていないことを明確にするようにと、最高裁判所に対して、法律14.701の違憲性を再確認するよう要求した。
この法律は先住民の権利に反するとされ、先住民の土地の境界設定に「時間的枠組み（marco temporal）」という基準を導入したもので、農業ビジネスや地主たちに支持されている。本権利の侵害は先住民の土地を自分たちのものとして認めさせたくないと考える者たちが、その土地を奪うためにたびたび利用しようと試みるものである。
国会議事堂への行進は、ブラジリアで4月11日まで開催される「自由の土地キャンプ（Campamento Tierra Libre）」第21回大会の一環として行われ、150以上の先住民族から何千人もの先住民が参加している。
下院本会議場に到着すると先住民の代表団は、踊りや歌を披露し、儀式用の染料で体を塗って議場に入った。ブラジルで最も影響力のある先住民族リーダーであるカシケのラオニ（Raoni）はスタンディングオベーションで迎えられた。
「我々がまだ自分たちの領土で健康的な生活を送れるように、ここでお願いしたい」とアマゾンに住むカヤポ族の長は叫んだ。「皆さんは自分たちの権利、領土を守るために、この闘いを続けるためにしっかりと立ち向かわなければならない」と、彼はカヤポ語で先住民族の代表者たちに語りかけ、その言葉は通訳を通じてポルトガル語に翻訳された。
議会の外では、数千人の先住民族が、過半数が保守的な議会に対して抗議の声を上げていた。この議会は彼らの要求に反する施策を承認していた。
年齢は約90歳と推定されるラオニは車椅子に乗って行進に参加した。彼は「幸せで元気だ」と述べた。「皆さん、見ての通り、私はだんだん疲れてきています。そして今、皆さん、若い人たちよ、今この闘いはあなたたちと共にある」と彼は言った。
写真：先住民族の権利に反対票を投じた議員たちに対し象徴的な葬儀が行われているところ（MAURO PIMENTEL / AFP）
先住民族は「エネルギー部門の影響」が彼らの領土に与える影響についてのセッションのため、議会に招かれた。「鉱山業者や大地主たちが私たちの土地を侵略している」と、ブラジル北東部に住むパタショ（Pataxó）族の首長は行進中に語った。ブラジルの法律によれば、国家によって認定された先住民族の土地での森林伐採は犯罪である。「国会議員たちよ、私たちの先住民族を尊重せよ」と、首長は拡声器を使って声を上げた。このパタショ族のリーダーによると、いくつかの議員は先住民族の土地を保護するための法案を「棚上げ」し、逆にその反対の提案を進めたという。
2023年、議会は先住民族が自分たちの領土を主張する権利を制限する規則を承認した。この問題は現在、最高裁判所で審議中である。
先住民は自らの領土での紛争を告発するだけでなく、公正なエネルギー転換の方法やLGBTIQ+の抵抗についても議論している。
ブラジル国立先住民基金（Fundação Nacional dos Povos Indígenas：Funai）のジョエニア・ワピチャナ（Joenia Wapichana）会長は、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ（Luiz Inácio Lula da Silva）の政府が、領土の境界設定の進展に向けて取り組んでいると述べている。事実、彼女によるとここ2年間で13件の承認がなされている。例えば、2023年と2024年には、以下の10の先住民族領土について大統領令が発令されている。
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アクレ州 アララ・ド・リオ・アモニア（Arara do Rio Amônia）
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アマゾナス州 アカプリ・デ・シマ（Acapuri de Cima）
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アクレ州 リオ・グレゴリオ（Rio Gregório）
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アラゴアス州 カリリ・ショコ（Kariri-Xocó）
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アマゾナス州 ウネウイシ（Uneiuxi）
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リオグランデ・ド・スル州 リオ・ドス・インディオス（Rio dos Índios）
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セアラー州 トレメンベ・ダ・バラ・ド・ムンダイ（Tremembé da Barra do Mundaí）
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ゴイアス州 アヴァ・カヌエイロ（Ava-Canoeiro）
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バイア州 アルデイア・ヴェリャ（Aldeia Velha）
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マットグロッソ州 カシキ・フォンツーラ（Cacique Fontoura）
また、2024年9月5日にも以下３つの領土が承認されている。
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マットグロッソ州 アピアカ・ド・ポンタル・イ・イソラドス（Apiaká do Pontal e Isolados）
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マトグロッソ州のアピアカス自治体に位置するこの地域は、アピアカ（Apiaká）とムンドゥルク（Munduruku）、そして自主的に孤立している先住民族が伝統的に居住している。この地域の面積は982,324ヘクタールで、総合的な保護区であるジュルエナ国立公園（Parque Nacional de Juruena）と完全に重なっているため、二重の保護体制下にあると考えられている。この地域の先住民は約250人と推定されている。
「私たちは非常に嬉しく思っており、これまでと同じように、大きな決意と自覚を持って、この孤立した領土を保護し続けるつもりである。この条例の調印は、私たちが社会的な分野で、登録や政府プログラムへの家族のアクセスといった困難な状況を経験してきたという点でも重要だ」と、先住民の領土であるアピアカ・ド・ポンタール・エ・イソラドスのライムンド・パイゴ・ムンドゥルク（Raimundo Paigo Munduruku）代表は昨年述べていた。
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パラ州 マロ（Maró）
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ボラリ（Borari）とアラピウム（Arapium）の先住民約400人が居住するこの地域は、パラー州サンタレン市に位置する。この地域は、国が所有する公有地で構成されるグレバ・ノバ・オリンダI（Gleba Nova Olinda）に位置し、環境犯罪の対象となることもあり、先住民の指導者が脅迫される事件も繰り返されている。面積は42,373ヘクタールと推定されている。
「この法律は、憲法を守るという大臣の決意と責任を表している。この法律は、領土を保全し、42,373ヘクタールの土地を守るための法的保障を私たちに与えてくれるものである」と、マロ先住民の土地の代表者であるアデニソン・アルヴェス・デ・ソウサ（Adenison Alves de Sousa）は土地の承認のタイミングで語っていた。
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パラ州 コブラ・グランデ（Cobra Grande）
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領土が位置するアラピウンス下流地域は、環境保全と伝統的な住民の居住地としての重要性が認められている。現在、サンタレン（Santarém）には8,906ヘクタールの領土にタパジョ、ハラキ（Jaraqui）、アラピウム（Arapium）が約600人の先住民が住んでいる。
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時間枠テーゼによると、連邦憲法公布日である1988年10月5日にすでに占拠されていた先住民の土地のみが区画整理の対象となる。しかしこの「時期的枠組み」に関する議論につては、2023年9月27日にブラジル連邦最高裁はその主張を却下している。
「自由の土地キャンプ」は金曜日まで続く予定である。他のアマゾン地域やオセアニアの先住民族も、木曜日にブラジルの先住民族と共に行進に参加し、11月にブラジル・ベレン市で開催される国連気候サミットCOP30に向けて彼らの要求を可視化する予定である。
8日火曜日の午後、先住民の代表団がギルマル・メンデス判事と会談を行う予定だ。
“¡Nuestro futuro no está en venta!” dicen más de 6 mil indígenas de 150 pueblos de todas las regiones de Brasil que marchan hoy hacia el Congreso Nacional.
— Nacho Lemus (@LemusteleSUR) April 8, 2025
La movilización denuncia la mesa de conciliación propuesta por el ministro de la Corte Suprema, Gilmar Mendes para bloquear… pic.twitter.com/VnDDA3U70E
参考資料：
1. Miles de indígenas se movilizan en Brasilia para exigir demarcación de sus territorios
2. Miles de indígenas brasileños exigen al Congreso que proteja sus tierras
3. Brasil debe proteger las tierras, territorios y recursos de los pueblos indígenas
4. El ministro de Justicia de Brasil firma las ordenanzas de demarcación de tres territorios indígenas
5. Indígenas celebran en Brasilia la 21ª edición del «Campamento Tierra Libre»
6. Campamento “Tierra Libre” en Brasil
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