メキシコ:米陸軍北部司令部海兵隊部隊のメキシコ領内入場を承認

(Photo:Senado de la República)

「二国間水陸両用演習FÉNIX 2025(Ejercicio Bilateral Anfibio FÉNIX 2025)」に参加することを目的に提示された議案を上院は全会一致の94票で賛成した。これにより米陸軍北部司令部海兵隊部隊の155人がメキシコ領内に武器、車両、弾薬などの装備とともに入ることが承認されたこととなる。このイベントは、メキシコと米国の軍事協力を強化することを目的としている。意見書で上院議員らは、これが戦術的手順の適用における訓練、友好関係の深化、そして国際社会におけるメキシコの存在感を高める機会であることを強調されている。また、メキシコの軍事力を国際社会にアピールする役割も果たすとされている。

https://twitter.com/senadomexicano/status/1902419580653387867

 

この訓練はバハ・カリフォルニア・スル(Baja California Sur)州サンタ・マルガリタ(Santa Margarita)島にあるメキシコ海軍地域訓練センター第4(CENERAG-4)の施設で、3段階に分けて実施される。

海軍委員会事務局長のロランド・サパタ・ベロ(Rolando Zapata Bello)長官は、これは米国海兵隊の入国を伴うものであり、国家安全保障に関する決定であると述べている。訓練への米軍の参加は危機対応能力の向上とメキシコ領土の防衛強化に役立つという。また、この訓練の目的は、メキシコ領土の海上防衛に不可欠な水陸両用対応能力を強化し、あらゆる危機において国内の安全を保証することであると付け加えた。

サパタ・ベロはさらに、この共同訓練によって、海軍省(SEMAR)は相互運用性戦略、つまり他の軍隊と連携して活動する能力を開発することができる。これには、地上、陸上、空中の作戦における連携の向上も含まれる。この二国間演習は国際協力を大幅に強化し、北米地域の安定に寄与する。これにより軍事能力が向上するだけでなく、友好の絆が強化され、メキシコの海兵隊員が知識、技能、重要な価値観を学ぶことが可能になるとされている。

クラウディア・シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領の要請に基づき、米陸軍北部司令部海軍の代表団が、有機武器、弾薬、車両、特殊装備を携えてメキシコに入国することが承認された。同時に、米陸軍北部司令部海軍の要員をメキシコ国内に移送するため、メキシコ海軍の53要員と後方支援艦ARM「Isla Tiburon」(BAL-01)が国内領土外へ出航することも認可された。

第一段階では、8名の要員が国内領土に入国する予定である。2025年3月23日、民間便でロス・カボス空港(Aeropuerto de Los Cabos)に到着し、陸路でメキシコ海軍地域訓練センター第4(CENAREG-4)の施設があるバハ・カリフォルニア・スル州(Baja California Sur)のサンタ・マルガリータ島(Isla Santa Margarita)に移動する予定である。この軍事訓練の第一段階は、2025年3月24日から4月1日まで実施され、4月2日に同じロス・カボス空港から商業便で出国する計画である。

第2段階では、129人がメキシコ海軍の兵站支援艦ARMイスラ・ティブロン(ISLA TIBURÓN)(BAL-01)で入国し、2025年4月6日に前述の訓練センターに到着、2025年4月7日から23日まで軍事演習を行い、同月24日に前述の艦船で出国する。

第 3 段階では、18 人が米国陸軍北方司令部の特別訪問者として入国し、2025 年 4 月 20 日に民間機でロスカボス空港に到着、陸路でメキシコのバハ・カリフォル ニア州サンタ・マルガリータ島にあるメキシコ海軍地域訓練センター第 4 号(CENAREG-4)に移動する、 2025年4月21日から23日まで、バハ・カリフォルニア・スル州サンタ・マルガリータ島の軍事演習を見学し、同月24日にロス・カボスの同空港から民間便で出国する。

このため、メキシコ海軍53部隊と兵站支援艦ARMイスラ・ティブロン(BAL-01)が、アメリカ陸軍北部司令部海兵歩兵部隊の要員を国内領土に移送するために、国内領土の範囲外で出港することも許可するよう、同立法機関に要請した。このため、彼らは2025年3月28日にバハ・カリフォルニア・スル州サンタ・マルガリータ島から米国カリフォルニア州サンディエゴのキャンプ・ペンドルトンへ出航し、2025年4月6日に帰国する。同様に、メキシコ海軍の前述の代表団は、軍事演習の終了後、2025年4月24日に米軍を率いて米国カリフォルニア州サンディエゴのキャンプ・ペンドルトンへ向かい、2025年5月4日に帰国する。

一方で、上院理事会は、連邦行政府のトップからの要請に基づき、米軍関係者が2025年4月7日から5月15日にかけて行われる予定の「合同合同演習訓練(Entrenamiento de Ejercicios Combinados Conjuntos:JCET)」と呼ばれる訓練に参加するため、メキシコ国内への入国が許可されるべきである旨を記載した書簡が内務省より届けられたことを公表している。

この訓練は、メキシコ州サン・ミゲル・デ・ロス・ハグイェス(San Miguel de los Jagüeyes)の第1軍管区の地域訓練センターで2025年4月7日から5月3日までで開催される。その後、チワワ(Chihuahua)州サンタ・へルトゥルディス(Santa Gertrudis)の国家訓練センターに場所を移し2025年5月4日から15日まで実施される予定である。この要請は国防委員会に送付されている。

同様の演習は以前にも実施されており、2023年7月6日から21日にかけてメキシコのサンタ・マルガリータ島で行われたカイマン・アステカ23(Caimán Azteca 23)演習は、メキシコ海兵隊と海軍の要員とともに実施された米海兵隊の水陸両用強襲演習であった。

#ClaudiaSheinbaum

 

 

 参考資料:

1. Senado aprueba que 155 marines de EU entren a territorio mexicano
2. Senado aprueba ingreso de tropas de EE. UU. para el Ejercicio Bilateral FÉNIX 2025 en Baja California Sur

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