ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ（Luiz Inácio Lula da Silva）大統領は水曜日、ドナルド・トランプ（Donald Trump）米大統領による脅しに対し、BRICSが金融取引の基準通貨としてドルに代わるものを採用する権利を擁護した。
ラジオ局とのインタビューを通じルラは「BRICSは世界人口のほぼ半分を占めている。それは、世界の対外貿易のほぼ半分を占めていることを意味する。そして私たちは、ドルだけに依存しない商業化の形を作ることを議論する権利がある」と強調した。あわせてルラは、BRICS諸国はトランプの 「威嚇 」を心配すべきではなく、自分たちにとって 「重要」なことを話し合うべきだと語っている。
「私たちにとって何が重要なのかを話し合おう。世界にとって何が重要なのか。アメリカを必要としているのは世界ではなく、アメリカもまた世界を必要としている」とルラは語る。
BRICSグループは元々米国と西側同盟国による支配に対抗するため、2009年に結成されたものである。主にブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、ブラジルで構成されており、これに他の新興国（例えばエジプト、アラブ首長国連邦、エチオピア、イラン、インドネシア）や発展途上国が加わった。現在は加盟国が11カ国となっている。BRICSは世界人口の半分近くを占め、G7と対をなすグループと考えられている。その意味で、ルラは、もしトランプ大統領が脅し通り米ドル以外の採用に対して米国が100％の関税を課すことになった場合、ブラジルは「相互主義」で対応すると述べている。彼によれば、トランプ大統領の脅しと虚勢を張る政策は、米国を世界から孤立させている。
「一見敵対的に見えるこれらの国々が、BRICSの新通貨を作ったり、強大な米ドルに代わる他の通貨を支持したりしないことを約束するよう求める」。また、「BRICSが国際貿易やその他の分野で米ドルに取って代わる可能性はなく、そうしようとする国は関税に挨拶し、アメリカにさよならを言うべきだ！」というメッセージは2024年11月、トランプが選挙に勝利した直後にも発せられている。
トランプは土曜日からカナダとメキシコからの輸入品に25％の関税を課すと述べたが、これらの国からの石油を輸入税の一部に含めるかどうかはまだ検討中だという。「そうするかもしれないし、そうしないかもしれない」と木曜日に大統領執務室で記者団に語った。彼の決断は、北米の貿易相手国であるワシントンが課す石油価格が公正かどうかということに基づいていると思われる。しかし、彼の決断は、不法移民とフェンタニルに使われる化学物質の密輸を阻止するための入札にも影響されている。この薬物や他の合成オピオイドは、アメリカ国内だけで数万人の死者を出している。
ルラ大統領は水曜日（2025年2月5日）、「政治家は虚勢を張って生きている。トランプ大統領はそうやって選挙戦を戦った。彼は就任早々、グリーンランドを占領し、カナダを併合すると発表し、メキシコ湾の名前をアメリカ湾に変えると発表し、パナマ運河を再占領すると発表した。つまり、正直なところ、どんなに重要な国であっても、常にすべての国と争うことはできない」と、ミナス・ジェライス州のラジオ局とのインタビューで語った。
79歳のブラジル大統領はまた、世界には「平和と平穏」が必要であり、特にブラジルは他国との「紛争」を望んでいないと主張した。また、ブラジルは米国と「非常に良好な」貿易関係を築いているとも述べている。
トランプ大統領はメキシコとカナダからの輸出品に25％の関税をかけると発表したが、その後、これらの国の政府と合意に達し、30日間関税を停止した。同様に、アメリカの新大統領は中国に10％の関税を課したが、これに対してアジアの巨人も同じ態度で応じ、特定のアメリカ製品には15％の関税を課している。
世界における米ドルのパワーが強まっていることは確かであり、米ドルは依然として世界の主要な基軸通貨である。それは世界的に大きな信頼を得ていることの表れとも言える。一方BRICSは別の基軸通貨導入についても協議をしてきた。特に欧米諸国がウクライナ戦争を理由にロシアに制裁を課した後、この構想は勢いを増している。
参考資料：
1. Trump vive de bravatas e Brics não deve se preocupar, diz Lula
2. Lula defendió el derecho de los BRICS de sustituir el dólar como moneda de referencia
3. Trump threatens BRICS with tariffs if they replace US dollar
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