エクアドル : ノボア大統領によるアバド副大統領に対する迫害と対抗

(Photo:Alfredo Cárdenas)

8月7日(水)、選挙資金を自身の利益のために使用した疑いで告発されたことについて説明するために2023年12月から滞在しているイスラエルの首都テルアビブから事実上の臨時委員会にベロニカ・アバド(Verónica Abad)副大統領は出廷した。行政に対する不正行為の調査のための臨時立法委員会は、2023年大統領選挙キャンペーンのための資金をアバドが管理し受け取ったかどうかについての説明を聞くために開かれたもので、この告発はアルトゥロ・フェリックス・ウォン(Arturo Félix Wong)行政長官によってなされ、ダニエル・ノボア大統領が彼女と距離を置く主な動機となったとされている。副大統領は、1時間以上にわたる演説の中で、選挙資金の使用を否定した。

 

 

「2023年からの選挙資金を、私の利益のために使ったことはない。そして、このことが大統領との軋轢を生んだというのは、さらに嘘である」と語った共和国副大統領は、自分に対する政治的・司法的迫害があることを認め、ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)大統領とその閣僚たちに対して、自分自身と家族、そして彼の仕事チームの生命に対する責任を改めて問いただし、「権力の乱用は際限がなく、盲目的な司法制度ではなおさらである」と述べた。

 

また、ベロニカ・アバドは、ノボアや執行部と距離を置いたのは自分だったと振り返った。その背景は「自分の言葉や約束に不誠実な人物のパートナーになることを受け入れたことに気づいたからだ」断言し、「増税、燃料高騰、閣僚と連動した契約、犯罪取締りの欠如には(私は)加担していない」と強調した。「私は、あなた方が私たちの国と国民に課したこのような状況において、政府の一員ではない」と述べ、選挙公約を守らない「マッチョで女性差別主義者」を信じたこと自体が間違いだったと語った。

彼女の言葉はフェリックスが、ノボア大統領が初日から彼女と距離を置いていたのは、「ある実業家たちが、彼女が私たちの名前で金銭を受け取ったと糾弾したからだ。このような苦情は、これらの企業に泥を塗らないようにするため、裁判にはしなかった」と述べたことを背景とする。

Construye運動のハイメ・モレノ(Jaime Moreno)が議長を務める臨時委員会には、2024年6月のEL UNIVERSOのインタビューでの行政長官の発言の範囲を明らかにするために召喚された。しかし彼は出席しなかった。時折委員会に送られるメッセージで、彼は公務のためキトの外にいると説明している。

アバドは、フェリックスの主張は虚偽であると断言した。アバド副大統領は、選挙運動の予算を交付するのは全国選挙管理委員会(Consejo Nacional Electoral:CNE)であり、その財源を管理するのは各政治団体の金庫であるとし、自分はこれらの公的財源に1ドルも手をつけたことはなく、ましてや実業家の財源に手をつけたことはないと述べた。

 

 副大統領はまた、自分は行政による権力濫用の犠牲者であり、ダニエル・ノボア政権によって迫害されていること、自分の命や家族、仕事チームの身を案じていること、エクアドルにいる親族を訪ねるための休暇の希望を拒否され、身の安全も奪われたことを述べた。彼女が議員たちに語ったことによるとエクアドルにいる家族を訪問し、健康に気を配るために5日間の休暇を要求していた。この休暇要求は、共和国大統領とガブリエラ・ソンマフェルド(Gabriela Sommerfeld)首相に宛てて出されたもの。大統領府と首相府の法務部、さらに労働省に渡り、すべてで却下された。  その拒否理由は、彼女の後任がいないことと、休暇を事前に申請していないことである。彼女は、このような事実が彼女を不安にさせ、行政命令によって警備が撤去された場合はなおさらだと述べた。アバド副大統領は、過去5ヶ月間、外務省が緊急事態に備えてイスラエルを出国したいという彼女の要請に応じなかったことに対し「(私の要求は)拒否され続けている」とも不満を述べている。彼女が感じる身の危険はイスラエルにいることのみならず、彼女と彼女の協力者チームを迫害する役割を担ってきた戦略情報センターにもあるとした。同センターは個人的なソーシャルネットワークだけでなく、組織的なネットワークにもサイバー攻撃をしているという。それはサイバー上の陰謀だと彼女は指摘している。

 

モレノ議員は「エクアドル国家として、政治的な違いや、彼女にかけられている容疑を超えて、戦争状態にあり、隣国との暴力の激化が日々悪化している国で、副大統領が命を危険にさらすことを許すわけにはいかない」と述べるとともに、政権長官が裁判所に出頭するよう主張すると述べた。

このような事態を受け、彼女は、ノボア大統領に対して政治的暴力の訴えを起こすと発表した。「この問題に関する私の行動は、今後数日のうちに非常に明確になり、意識の高い国民の適切な支持を得られることを望んでいる」と述べた。 

 

参考資料:

1. Verónica Abad advirtió a Daniel Noboa que le pondrá una denuncia por violencia política

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください