ベネズエラ:大統領選挙結果の記録を公開すると述べる大統領と国内における暴力

(Photo:Prensa Presidencial)

2025-2031年の任期で再選されたばかりのベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)大統領は水曜日、最高裁判所(Tribunal Supremo de Justicia:TSJ)に赴き、同裁判所の選挙管理会議所に対し、7月28日の選挙を有効とするよう上訴するとともに、過激派野党が争っている選挙結果について、「ベネズエラ社会主義統一党は我々の手元にある選挙記録の100パーセントを提示する用意がある」と述べた。

 

マドゥロ大統領は最高裁判所訪問に際しデルシ・ロドリゲス(Delcy Rodríguez)共和国副大統領、ホルヘ・ロドリゲス(Jorge Rodríguez)国民議会議長、ウラジミル・パドリノ(Vladimir Padrino López)国防大臣、シリア・フロレス(Cilia Flores)第一戦闘員とともに向かい、一方の同裁判所では、選挙人会議所議長で最高裁判所長官のカリスリア・ロドリゲス(Caryslia Rodríguez)判事が出迎えた。面会にはレイナルド・ムニョス(Reinaldo Muñoz)共和国検事総長も同席している。

 

式典後、国家元首は報道陣に対し、「犯罪者やファシストには決して負けることはない」と断言した。最高裁判所本部から、マドゥロ大統領は、正義と憲法を遵守すると述べた。

 

マドゥロは、最近の極右勢力によって組織された暴力的な事象を想起した。「選挙プロセスに対するこの攻撃、選挙プロセスを利用したこのクーデター未遂に決着をつけ、これらの攻撃について明らかにすべきことをすべて明らかにする」ことを求めていると説明するとともに、「私はベネズエラの平和のために憲法に訴えた」と宣言している。

街頭での暴力に対しマドゥロは、マリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)とエドムンド・ゴンサレス(Edmundo González)に責任があると繰り返した。

一方のベネズエラのタレク・ウィリアム・サーブ(Tarek William Saab)検事総長は水曜日、国内各地で発生した暴力的デモ隊によるテロ攻撃に関する捜査の進展を発表し、ベネズエラの極右勢力がそれらを煽動し、ベネズエラ国家の人権侵害を非難するために刑罰に値する行為をシミュレートしていると非難した。

また彼は、様々な都市で、いわゆる「comanditos(コマンディト)」が襲撃し、数人の負傷者と多大な物的損害を出し、検察庁が調査中であることを紹介した。その中で「guarimberos(ガリンベロ)」たちが人々を扇動し、殺戮や火あぶりを指示しているとした。コマンディトは犯罪集団であり、詐欺の責任者は彼らが犯した悪行の知的作者であると非難した。 極右勢力は、一方では証拠を示すことなく詐欺があったという嘘に頼り、他方では犯罪行為を奨励するという、二面的な計画を持っていると述べた。

サーブは、これらの重大犯罪に関与したとして1,062人が逮捕されていると指摘した。現場にいたが参加していないことが証明された者は釈放されるが、参加したことが判明した者は自由を剥奪されると述べた。アラグア州では77人の警官が負傷し、1人が死亡した。

同氏によると、ベネズエラは平和のうちに選挙を行ったが、その後、極右勢力はカラカソの民衆蜂起に似たものを再現するために暴力行為を行うことを画策したがこれを達成する手段を持っていなかった。そして、この事件と住民に不安を与えるメッセージの流布を調査するために、国家検事が任命されたことを明らかにした。

極右勢力は、ベネズエラの治安部隊に攻撃された平和的と思われる戦闘員の事例を提示することができず、そのため、世論を欺くためにモンタージュを再現することに頼っている、と糾弾した。彼らはベネズエラ国家が人権を侵害していると非難するために、刑罰の対象となる行為をシミュレートしている、と同氏は述べ、アラグアで行われた、肥満の人物にトマトソースを塗り、あたかも殺害されたかのように見せかけた事件を紹介した。

他の視聴覚資料から見て取れる犯罪についても彼は語っている。例えばヤラクイ州で逮捕されたイサク・マウリシオ・ガルシア・ブイトラゴ(Isaac Mauricio García Buitrago)と名乗る犯罪者は、コロンビア出身で、ベネズエラに渡航したのは、

「guarimbas(ガリンバ)」を犯す人間が必要だと言われたからだと告白していると述べた。サーブによれば警察官のバイクと防弾チョッキを燃やすために30ドルを含む金を受け取った。この青年が幻覚剤の影響下で、犯罪の擁護者として行動し、自分が免罪を享受できると犯罪者が考えていたことにサーブは注目しているとした。彼は、憎悪を扇動し、人を燃やすために家に印をつけ、役人に嫌がらせをすることなどは、権利ではなく重大な犯罪であり、処罰の対象であると語っている。

また、別のビデオではスリア州の3人の若者が、道路を利用するのであれば車を燃やす、と言って住民を威嚇しようとしていることが見て取れるとしているが、サーブはこれについても「我々は、このビデオの作者と、彼らに金を支払った人物を特定しようとしている」と述べている。

 

ヌエバ・エスパルタで撮影された別のビデオでは、国民から重要なサービスを奪う目的で、発電会社イドロカリベ(Hidrocaribe)の設備や車両を燃やした様子が映し出されている。同氏によると、この会社の破壊行為により、4人の未成年者を含む20人が逮捕された。

検事総長は、この暴力行為の波の中で、警察本部、地方自治体事務所、国民のための食糧配給センター、さらには教育機関までもが攻撃されたという事実に注意を喚起している。

また、ボリバル国軍(Fuerza Armada Nacional Bolivariana:FANB)のメンバーによって守られていた教育ユニットを手榴弾とライフルで襲撃した組織犯罪グループがグアリコで発生したように、これらのコマンディトが準軍事組織と結びつこうとしていることにも言及した。

また、ミランダでは、ホセ・メレンデス(José Meléndez)容疑者が逮捕されたが、同容疑者は、暴力集団にタイヤなどを配り、道路を妨害する手助けをしていた。

また、ラ・グアイラ州では、ソーシャル・ネットワーク上で拡散されたビデオを通じて犯罪グループのリーダーであることを示し、暴力的で不安定な行為で住民を脅していた2人の人物ジャレッド・ロメロ(Jared Romero)とジェフェルソン・パドロン(Jeferson Padrón)が逮捕されている。

ララ州では、7月29日に犯罪グループの一員としてトランスバルカ輸送ターミナルの施設を激しく攻撃したホセ・サンチェス(José Sánchez)、ダイナ・ベリス(Dainer Véliz)、ルイス・サビラ(Luis Sabira)、ヤルジャネル・ロペス(Yarjanel López)、および3人の10代の若者が逮捕されている。彼らは深刻な損害を与え、クレーンを盗み、その後燃やした。

同州ではまたカローラ州の政権党本部襲撃に加わったイスラエル・クレスポ(Israel Crespo)が10代の若者とともに逮捕された。彼らはコミュニティラジオ局を物色し、家具を破壊した後、本部に放火した。彼らは中にいる人々を襲撃し、ビルの最上階から人を投げ落としたという。

 

サーブは国連人権報告者事務所に、このような暴力的な人々を再び「政治犯」として紹介するのかと尋ねた。teleSURの質問に対し、検事総長は、これらの暴力的行為の作者である数人の知識人に対して、オープンな捜査ファイルを持っていると述べた。我々は、これらの首謀者に関係する新たな逮捕を排除しない」と述べた。

月曜日に全国選挙評議会(Consejo Nacional Electoral:CNE)が宣言した内容によると28日の大統領選挙でマドゥロが51.2%の得票率(500万15092票)を獲得し、野党のエドムンド・ゴンサレス・ウルティア(400万445978票)の44.2%を上回り次期国家元首となった。

 

参考資料:

1. Presidente de Venezuela dará a conocer el 100% de las actas que acreditan su triunfo
2. Ministerio Público: extrema derecha simula actos punibles para acusar a Estado venezolano de violar los DD.HH.

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください