ブラジル:「ブラジル人工知能計画」を発表、41億米ドルの投資計画

(Photo:Ricardo Stuckert/PR)

ブラジルは国家人工知能計画に基づき独自のスーパーコンピュータで開発を実施する予定だ。

火曜日、ブラジリアのBrasil 21スペースで開催された第5回科学・技術・イノベーション全国会議の開会式でルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領によって発表された。このイベントは、科学技術分野における政府の行動を明確にし、2030年までに実施される新たな国家科学技術イノベーション戦略を構築することを目的としており、3日間の討論が行われた。本式典には科学・技術・イノベーション大臣 ルシアナ・サントス(Luciana Santos)、共和国大統領府事務総局局長マルシオ・マセド(Márcio Macêdo)、保健大臣ニシア・トリンダデ(Nísia Trindade)、教育大臣カミロ・サンタナ(Camilo Santana)、共和国大統領府制度保安閣僚マルコス・アントニオ・アマロ・ドス・サントス(Marcos Antônio Amaro dos Santos)など、複数の当局も出席している。

ルラ大統領は、ブラジルの科学者は「恥を知る」必要があり、ブラジルの人工知能(AI)ツールを開発する必要があると述べていた。それを裏付けるかの如く発表された「ブラジル人工知能計画(Plano Brasileiro de Inteligência Artificial:PBIA)」は、今年3月にルラ大統領によって委託され、月曜日(29日)に国家科学技術会議(Conselho Nacional de Ciência e Tecnologia:CCT)によって承認されている。科学技術革新省(Ministério de Ciência, Tecnologia e Inovação:MCTI)によると、この計画の目的には、国の技術開発を促進し、人工知能の分野でブラジルの「世界的リーダーシップ」を促進することが含まれている。

オープニングイベントでルラは「ブラジルの科学者が設計した人工知能の論文は、この国にとって画期的な出来事だ」と演説し、多国籍大企業への依存を減らすため、技術主権を達成することの重要性を強調している。政府は声明を通じてブラジルは高度な技術インフラを持ち、高い処理能力を持ち、再生可能エネルギーを動力源とすることを目指している、と述べている。その目標のひとつは、ポルトガル語の高度な言語モデルを開発することにある。また、政府によれば、「世界で5本の指に入る強力なスーパーコンピューター」の構築も構想されている。この計画には、健康などの公共サービスの向上や、ブラジルの産業部門に応用されるビジネス革新に人工知能を活用すること、さらには森林伐採の防止や災害の防止なども盛り込まれている。来週、ルラ首相は閣僚らと協議し、同計画を軌道に乗せるためのメカニズム、特に資金調達に関するメカニズムを定義する予定だ。

同計画は5つの軸で構成されている:
AIインフラと開発
普及、訓練、能力開発
公共サービス向上のためのAI
ビジネス革新のためのAI
AIの規制とガバナンス・プロセスの支援

 

2024年から2028年の間に計画されているすべての施策(即効性のある施策と5つの行動軸)は合計すると230億3000万レアルの投資を必要とする。この計画には、国家科学技術開発基金や民間部門からの投資など、さまざまな資金源が含まれている。スピーチの中でルラは、このメカニズムを作ることを思いついた経緯について語った。人工知能の話ばかりを聞くのにうんざりしていた彼は、「人間の知性で操作できるのだろうか?」と自問したという。同じ文脈でルラは、アップル、マイクロソフト、メタ(フェイスブック、インスタグラム、WhatsAppのオーナー)、アルファベット(グーグルのオーナー)、アマゾンで知られるビッグテックを再び批判した。というのも、(AIは)すべてのデータを収集する能力にほかならないからだ。大手ハイテク企業は、ライセンスも求めず、税金も払わず、公開されるべきでないものを公開するため、お金を請求し、金持ちになることを目指しているからだ。

 

「人口2億人の国、524年の歴史を持つ国、(中略)世界的に尊敬される知的基盤を持つ国、寛大な国民を持つ国、並外れた多様性の中で生活する国、そんな国が、他国がやってくるのを待つのではなく、自分たちで仕組みを作れないものだろうか。なぜ自分たちで作れないのか?」

 

今年の初め、ルラ大統領は、ブラジルに人工知能は必要ないが、このツールの使用を合法化することは必要だと述べていた。一方議会では、ロドリゴ・パチェコ(Rodrigo Pacheco)上院議長(PSD-MG)が国内の人工知能を規制する法案を提出した。この法案は、人工知能に関する臨時委員会によって分析されている。報告者はエドゥアルド・ゴメス(Eduardo Gomes)上院議員(PL-TO)だ。

 

 

参考資料:

1. Brasil prevé invertir USD 4.000 millones en plan de inteligencia artificial
2. Lula recebe Plano Brasileiro de Inteligência Artificial em cerimônia em Brasília
3. “Um marco neste país”, diz Lula ao receber proposta de Plano Brasileiro de Inteligência Artificial

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