(Photo:EFE)
2024年4月6日23時59分、非常事態宣言は終了した。これに伴い夜間外出禁止令や通信の不可侵と住居の不可侵も停止された。しかしダニエル・ノボア大統領はエクアドルにおける国内武力紛争宣言を維持する政令に署名した。
2024年1月9日エクアドルがこれまでに経験したことのないような暴力のピークの真っ只中、ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)大統領はエクアドル国内での武力紛争を認める政令をに発布した。2024年1月に発令された非常事態が終了した4月7日にノボア大統領は「組織化された武装集団による内部武力紛争の存続を認める」新たな大統領令218号を発令した。これは移動の自由などの基本的権利に対する制限はななくすものの、その必要性が出てきた場合、国防省または内務省が大統領に非常事態宣言を要請できると定められている。
🚨 #URGENTE | El Presidente Daniel Noboa mediante el decreto ejecutivo 218, reconoce la persistencia del conflicto armado interno. pic.twitter.com/YdWIQasrrU
— La Hora Ecuador (@lahoraecuador) April 8, 2024
組織的武装集団による国内武力紛争が発生した場合、以下の措置が講じられることになる:
- 軍隊は「国土における組織的武装集団の活動を阻止し、根絶するための軍事作戦を実行する」。
- 警察と軍隊は「組織犯罪による武力攻撃、脅威、危険を無力化するために必要な作戦・戦術的展開」を継続する。
- 特に「 国内治安、戦略的情報システムに関して、複数年にわたる予算編成を確立する 」ための調整が必要である。
ノボア大統領は3月7日、1月に始まった非常事態を30日間延長した際と同様、刑務所を安全地帯とすることを宣言した。この規定により、軍と警察は刑務所内の「内部および外部、物理的および手続き上のセキュリティ」を引き続き担当する。この規定を補完するため、市民の安全を管理する機関は、刑務所内の警備区域に対応する計画、プログラム、プロジェクトを区切り、管理し、実行するための調査を実施しなければならない。しかしこの政令は違憲の可能性がある。
憲法学者マウリシオ・アラルコン(Mauricio Alarcón)は憲法上 「国内武力紛争と非常事態に違いはない」と述べている。「国内武力紛争は、非常事態を宣言できる理由である」からだと述べている。
憲法第164条は大統領は「侵略、国際的または国内的な武力紛争が発生した場合、国土の全部または一部において非常事態を宣言することができる」と定めている。したがってアラルコンによると「一つのことと他のことが切り離されることはない」。
憲法における非常事態の定めでは適用できる措置の種類と制限できる権利が明確に記載されている。アラルコンによれば、軍隊は依然として一定の治安維持任務を担っているが、政府は「軍隊の濫用を避けるために、均衡、警戒、統制のメカニズムを見つけなければならない」。
アラルコンによれば、非常事態宣言を出すことなく、国内武力紛争を継続させることが「現在の憲法の枠組みにおいて正しいこと」であるかどうかは憲法裁判所が判断する必要がある。しかし、この場合、憲法裁判所が合憲性チェックを行うかどうかも不明である。と言うのも、憲法裁判所は非常事態宣言の可否についてはチェックを行う義務を負うが、国内武力紛争の有無は憲法で定められていないことから、この政令について最高裁判所が合憲性チェックを行わなければならないかどうかがわからないことによる。
@canalrtu #EstadoDeExcepción | El presidente Daniel Noboa emitió el Decreto Ejecutivo 218 reconociendo la persistencia de un conflicto armado interno por lo que dispone ese mantenga el despliegue operacional de la policía y fuerzas armadas a nivel nacional. #DecretoEjecutivo #ConflictoArmado #DecretoPresidencial #SeguridadPública #RTUNoticias ♬ sonido original – RTU
国内武力紛争を認める政令
2024年1月9日の政令は11ページある。第1条では、「国内武力紛争の存在」を認めている。第2条では、この種の紛争を「非常事態宣言の追加的根拠」としている。第3条では、非常事態宣言に「国土における軍隊と国家警察の出動と介入を規定する」ことを追加している。これは、政令に従い、「国際組織犯罪、テロ組織、交戦的非国家主体に対する主権と領土保全」を保証するためである。
El presidente @DanielNoboaOk dispone la movilización e intervención de las @FFAAECUADOR y @PoliciaEcuador en el territorio nacional para garantizar la soberanía del país contra el crimen organizado. pic.twitter.com/nSoC84GBFe
— Presidencia Ecuador 🇪🇨 (@Presidencia_Ec) January 9, 2024
第4条では、 21の国際組織犯罪グループが 「テロ組織および交戦的非国家主体」として特定されている。2024年4月付けの新しい政令もこれらのグループに言及している。1月の法令に記載されているのは以下の通り:
- Águilas
- ÁguilasKiller
- Ak47
- Caballeros Oscuros
- ChoneKillers
- Choneros
- Corvicheros
- Cuartel de las Feas
- Cubanos
- Fatales
- Gånstez
- Kater Piler
- Lagartos
- Latin Kings
- Lobos
- Los p.27
- Los Tiburones
- Mafia 18
- Mafia Trébol
- Patrones
- R7
- Tiguerones
第4条の最後には、公安国家評議会(Consejo de Seguridad Pública y del Estado:Cosepe)が「技術報告に基づいて、特定されたグループのリストを更新する」と明記されている。第5条で、ノボアは軍隊に対し、「 第4条で特定された集団を無力化するため、国際人道法に基づき、人権を尊重した軍事作戦を実行する」よう命じている。
同政令は、ギジェルモ・ラッソ(Guillermo Lasso)が2023年5月3日に 署名した以前の政令に言及している。同政令は、「主権と領土保全を保証するため、適用される国際文書に従い、テロリスト個人および組織と対決し、これに対抗するための軍事作戦を国土内で実行する」ことを軍に命じている。
参考資料:
1. El toque de queda terminó en ciudades como Quito, Guayaquil y Cuenca, con el fin del estado de excepción. Sin embargo, el Gobierno decretó que se mantiene el conflicto armado interno en el país.
2. Gobierno decreta que persiste el conflicto armado interno: ¿Qué medidas rigen?
3. Toque de queda y eventos públicos ¿Qué va a pasar cuando acabe el estado de excepción?
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