エクアドル:カントリーリスクが高まり、ついに2,030ポイントへ

11月14日、エクアドルのカントリーリスクは11月13日の終値から53ポイント上昇し、2,000ポイントの壁を超えた。投資銀行JPモルガン・チェースが作成したこの金融指標は、ある国が対外債務不履行に陥る確率を測定する。この数値が高いほど、投資家はその国が債務不履行に陥るリスクが高いと判断する。

この度2,030ポイントとなったエクアドルのカントリーリスクは、大統領選挙でダニエル・ノボア(Daniel Noboa)が勝利した後に低下した。しかし先週281ポイント上昇した。その主な理由は、ノボアが11月4日から7日にかけて投資銀行や多国間組織との会合で行った発言による。彼が伝えたのは、もし政府に改革を実施する経済的能力がなければ、エクアドルは2026年か2027年に対外債務不履行に陥る可能性があると言うことだ。

 

カントリーリスクが最後に2,000ポイントを超え、2,035ポイントに達したのは2023年8月3日のこと。大統領選挙の第一ラウンドの数日前だった。これは大きな不確実性のパノラマの真っ只中のことであり、ギジェルモ・ラッソ(Guillermo Lasso)政権下で最も高い数値であった。これは、ラッソが2023年5月17日に十字架の死を宣言し、国民議会を解散し、早期の選挙を要求した後のことである。

 

ダニエル・ノボア次期大統領は米国視察日程において世界銀行、国際通貨基金、米州開発銀行と会談している。彼によると税制とエネルギー分野の法改正を提示する予定だという。彼が各国際機関の代表者に伝えたのは、「税収と輸出の面で州の収入を増やす雇用を生み出すプログラムがなければ、この国が2026年と2027年にデフォルト(債務不履行)に陥らないようにするのは非常に難し」く「公共投資、教育、雇用創出と民間投資のための税制優遇のために、9ヶ月間のつなぎ融資が必要だ」と言うことだ。

2年弱の経過措置で大統領に就任するノボアは、2025年の選挙で再選され、彼が警告した支払い停止を回避するために、この短期信用の必要性を改革の成功に条件付けた。「私が彼ら(多国間組織)に説明したことのひとつは、このプロジェクトが持続可能であるためには、私が再選される必要があり、再選されるためには解決策を提示する必要があるということだ」。「それは簡単なことではないが、再選されるために、また将来にわたって支払いを守るために何をすべきかは明確にしている 」。

新大統領は、ワシントンで会談した米州機構(Organización de Estados Americanos:OEA)のルイス・アルマグロ(Luis Almagro)事務局長と国際協力戦略について合意した。SNS「X」(旧Twitter)上でノボアは会談の詳細は明かさなかったものの「『新生エクアドル』に向けた素晴らしい一歩」と記した。メッセージに添えられた写真には、エクアドルのイボンヌ・バキ(Ivonne Baki)駐米大使をはじめとする外交官や、外相に就任予定の実業家ガブリエラ・ソンマフェルド(Gabriela Sommerfeld)の姿が写っている。「外国投資は、新エクアドルのための基本的な部分である」とノボアは述べている。

https://twitter.com/DanielNoboaOk/status/1721571799014535638

 

全国選挙評議会(Consejo Nacional Electoral:CNE)の本会議は、国民民主行動(Acción Democrática Nacional:ADN)同盟のノボアへの大統領信任状授与を承認した。早期選挙第2ラウンドを通じて解決すべき懸案がないことが証明されたことによる。これによって最終的な得票率についても51.83%とされた。一方のルイサ・ゴンサレス(Luisa González)は48.17%だった。ノボアは12月1日に就任予定で、ギジェルモ・ラッソ現国家元首の任期が終了する2025年5月24日まで統治する。

 

※ラッソが行ったMuerte cruzada(差し違え)に関する別記事はこちらから。

参考資料:

1. Riesgo país de Ecuador supera los 2.000 puntos
2. Noboa pide crédito puente al FMI, advierte que sin eso no se podrá pagar la deuda en 2026

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