(Photo:@LulaOficial/Twitter)
ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は9月26日火曜日、2026年までに420億レアル(約84億5000万ドル)を投資し、公衆衛生システムのための優先品目の国産化を促進する戦略を発表した。「私たちが長い間心に描いてきた夢の実現だ。ブラジルは偉大な国になるという決断をする必要がある。国民が質の高い生活を送れるような主権国家を定義したとき、私たちは偉大な国になる」と述べた。
Presidente Lula no Lançamento da nova Estratégia para o Complexo Econômico-Industrial da Saúde https://t.co/ggWvJSPNmd
— Lula (@LulaOficial) September 26, 2023
ブラジル大統領は「健康経済産業複合体開発のための国家戦略(Estrategia Nacional para el Desarrollo del Complejo Económico Industrial de la Salud)」と呼ばれる計画に署名した。この戦略には11の省庁が関与し、保健、開発、産業、貿易、サービスの各部門が調整するもの。戦略は、「生産的開発のためのパートナーシップ」、「地域開発とイノベーション」、「ワクチン・血清・血液製剤の準備」、「顧みられない人口と疾病」、「保健の近代化とイノベーション」、「インフラの拡大と近代化」の6つのプログラムを通じて実施される。
アマソニアの60%を占めるブラジルは、世界有数の淡水資源を保有し、大豆、コーヒー、オレンジジュース、牛肉加工品の世界的な主要生産国 として有名である。しかし、それ以外の産業、 例えば再生可能エネルギーや医療の 発展を目指す。エネルギー領域において「ブラジルは世界にとって、化石燃料にとってのサウジアラビアのような存在になることができる」とルラは述べている。
医療領域についてブラジルはその公衆衛生ネットワークである統一保健システム(Sistema Unico de Salud:SUS)における医薬品、消耗品、ワクチンの輸入依存を減らすことを計画している。「この戦略は、SUSの脆弱性を減らし、健康を拡大するものだ。それは、国家主権、脆弱性の軽減、国内における不平等の軽減のためだ」とニシア・トリンダデ(Nísia Trindade)保健大臣は以前番組内で語っている。
医療産業における計画のためのインセンティブとして2026年までに約90億ドルを用意した。医薬品、ワクチン、機器、健康用品産業への優遇措置のもと、10年後にはSUSが必要とする製品の70%をブラジルで生産できるようにする。保健大臣は、ワクチンの生産量を4倍にすることが目標のひとつであると強調した。SUSは1988年、イギリスの公衆衛生モデルに基づいて構築されたもの。
「(これらの品目を)積極的に生産する産業が(国内に)あり、SUSがその仕入れを保証すれば、ブラジルを発展させ、産業を発展させ、質の高い雇用を生み出し、内需を満たすこともできる」と大統領は述べている。また「この戦略は、SUSの脆弱性を減らし、健康を拡大するものだ。それは、国家主権、脆弱性の軽減、国内における不平等の軽減のためだ」とルラは語ってる。
演説の中でルラはまた、自国政府の行動をいくつか取り上げ、国内外での信頼を得ていることを強調した。その一例として、保守派が大半を占める議会で、政府にとって重要な経済対策が承認されたことを挙げている。「これができたのは、政治指導者たち、議員たち、そして何よりも 財務大臣のフェルナンド・ ハダド(Fernando Haddad)、彼の行動、彼の信頼性のおかげだ」とルラは強調した。彼はまた、プラナルトの政治組織である市民院のルイ・コスタ(Rui Costa)大臣と制度関係事務局(Secretaria de Relações Institucionais:SRI)のアレクサンドル・パディリャ(Alexandre Padilha)大臣についても言及するとともに、上述の通り財務大臣の貢献を何度も称賛している。
式典に先立ち、大統領は国営放送EBC(Empresa Brasileira de Comunicação)の週刊番組『大統領との対話(Conversa com o Presidente)』でもこの戦略については 語られていた。同国の医療セクターでは約200億ドルを使い 医療サービス提供に必要な材料が輸入していることが指摘されていた。27日に 放映された番組ルラの手術についても語られている。ルラは「簡単なようだが」、理学療法など術後のケアも必要と、語っている。
ルラの手術とは金曜日(29日)に 行われた股関節の痛みを取り除く手術のことだ。ルラによると痛みが始まったのは昨年8月で、10月の選挙で破った極右の前任者ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)との選挙戦の最中だった。本来は選挙後すぐに変形性関節症の手術をしたかった。しかしその時に「手術をしていれば、ルラは高齢だから、選挙に勝ってすでに入院した」と 世間から評価されただろう、と語った彼は、その案を排除し、まずブラジルを政治的に、社会的包摂することえ内政的を回復させることにした。彼はまた国際的な地政学においてブラジルを回復させ、ブラジルが復活したことを全世界に伝える必要があると感じたため、手術と国政の立ち上げ順を変更した。「歩行器や松葉杖をついている私を見ることはないだろう。まるで手術をしていないかのように、いつものハンサムな私を見ていただけるはずだ」とも彼は火曜日に笑いながら語っていた。
彼が行った手術は「全前立腺形成術」と呼ばれる。実際には、元の関節を同じ機能を果たす人工関節に置き換えることを意味する。痛みは大腿骨(太ももの骨)が骨盤と連結している部分に集中していると言う。なお手術はするが彼は大統領の職務を休む予定はない。
ルラの手術を担当するのは主治医のロベルト・カリル・フィリョ(Roberto Kalil Filho)とアナ・ヘレナ・ジェルモリオ(Ana Helena Germoglio) を中心とした整形外科医が率いるチームだ。ルラの主治医であるロベルト・カリル・フィリョは、ブラジリアのシリア・レバノン病院での手術後の記者会見で「手術は合併症もなく終了し、大統領は目を覚まし、麻酔後の回復に向かっている」と語った。全身麻酔を利用して、まぶたの余分な皮膚を取り除く小手術も受けて いることを医師は語っている。ルラは集中治療を受けることなく、「麻酔に非常によく反応した」とカリルは先に述べた。「彼は病院から歩いて退院できるだろう。アルボラダ(公邸)での仕事にも制限はない。頭は完璧に働いている」と、大統領府の医療チームのコーディネーターであるアナ・ヘレナ・ジェルモリオ医師は語った。大統領は3日(火)まで入院し、退院後はアルボラダ宮殿に移動し、そこから少なくとも3週間職務遂行することを予定している。
「手術は健康管理のためだ。またボールをプレーしたいし、また走りたいし、トレッドミルもしたいし、体操もしたい。去年の8月からずっと痛みがあるんだ。寝るのも、起きるのも、座るのも、立つのも痛い」とルーラはベトナムのファム・ミン・チン(Pham Mihn Chinh)首相と会談した日に記者団に語った。同会談含めここ数日大統領がマスクをしてのは入院を延期せざるを得なくなるようなウイルスやバクテリアの汚染を避けるためである。
大統領は リハビリや術後の経過措置のためにも4~6週間移動を 伴う公務は行わない。 そのかわり11月30日から12月12日にドバイ(アラブ首長国連邦)で開催されるCOP28気候会議には 万全を期して出席する予定である。
参考資料:
1. Lula lanza estrategia para incentivar producción brasileña de artículos de salud
2. Lula lanzó un plan de sustitución de importaciones
3. Lula: ‘Ninguém vai dar cavalo de pau na economia’
4. Lula passará por cirurgia na próxima sexta (29) para eliminar dores no quadril; saiba detalhes
5. Brasil: Lula se sometió a una operación de cadera sin mayores complicaciones
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