エクアドル:CONAIE、新大統領ノボアに15の条件を突きつける

(Photo:@chitoveraUFC/ Twitter

エクアドル先住民族連合(Confederación Indígena de Ecuador:CONAIE)は大統領選第2回投票でルイサ・ゴンサレス(Luisa Magdalena Gonzále)を破ったダニエル・ノボア(Daniel Noboa)の勝利に対し最初の反応をおこした。CONAIEはノボア新政権に対しそれが下す決定や、新自由主義的な「パケタソ(調整)」や反人民的な経済対策に注意を払うだろうと述べている。CONAIEはまた、「『新自由主義的なパッケージ』や反人民的な経済対策に直面しても、私たちは新政権が下す決定に注意を払い、民主的な機関に積極的に参加し、幸福のために提案し、闘うつもりだ」と呼びかけ、また、「わが国に新自由主義的な政策を実施」しようとするいかなる試みにも立ち向かうため、「左派と民衆陣営の」団結を強化するよう呼びかけた。CONAIEによれば、エクアドルは「新自由主義モデルの急進化」の瞬間を経験しており、これに対抗するために、加盟組織は「組織的団結と草の根を呼びかけ、組織的、イデオロギー的、政治的プロセスと首尾一貫した行動を呼びかける」地域的課題を強化する。

https://twitter.com/conaie_ecuador/status/1715075358850941169

 

 

CONAIEは20日には次期大統領政府に対し15の要求を公表している。15の要求は化石燃料補助金を廃止したレニン・モレノ(Lenín Moreno)に対する2019年10月の抗議行動やギジェルモ・ラッソの任期中の2022年6月の動員で達成されなかったもの。同連盟は、モレノとラッソの両氏が、両氏との対話で合意されたことを遵守せず、社会的暴動を阻止できなかったと断言し、「その結果、我々は、ダニエル・ノボア政府に対し、エクアドルの多民族性と異文化性を理解するよう促し、具体的な行動をもってこれらの要求を遵守するよう要求する」と述べた。彼らは以下の通り要求している。

1. ヤスニ(Yasuní)ITTにおける非石油開発およびチョコ・アンディーノ(Chocó Andino)における非金属鉱業に関する住民協議(詳細はこちらこちら)に従うこと。
2. 鉱業権の一時停止と包括的な監査、集団的権利と環境権を保証する。
3. 戦略的セクターと公共サービスの民営化禁止。
  背景にはベロニカ・アバド(Verónica Abad)次期副大統領が述べたノボア次期大統領が教育や保健などの分野の民営化を目指していることを背景とする。
4. 公的医療制度への回復、再出力、および資金調達(融資)。
5. 公共教育、地域教育、異文化間教育システムとコミュニティ・システムの強化。
6. 生活必需品の価格統制と基本的食料バスケットへのアクセスの保証。
7. 共同財産の所有権を保証し、先祖伝来の領土に権利を与える。また、土地蓄積政策の拒否すること。
8. 農業と家畜部門の発展、特に農民の家族農業に対する奨励金と財政支援。
9. 金利の引き下げと債務の帳消しなどの措置により、民間銀行の乱用を制限すること。
  これもまた2022年6月以降にCONAIEが求めていた公的・民間金融システムにおける1万米ドルまでの債務の帳消しを背景としている。ラッソ政権は公的銀行で進展を見せたが、連盟は民間銀行にも措置を拡大することを要求している。
10. 治安機関の浄化と麻薬密売・犯罪との効果的な闘いを行うこと。
11. 労働改革、具体的には労働者階級の条件をより不安定にする労働改革を拒否すること。
12. 社会保障の強化とエクアドル社会保障機関の擁護
13. 公的債務の監査
14. 経済団体から税金を徴収すること。
15. 自由貿易協定の停止を行うこと。

 

グアヤス州知事であり、市民革命(RC)の前全国代表であるマルセラ・アギニャガ(Marcela Aguiñaga)は、10月20日、ソーシャルネットワークXのメッセージで、ダニエル・ノボア次期大統領への共感を再び示した。その中で彼女は、先住民運動コナイエがノボア次期政権に対して行った15の要求に対して反論している。アギニャガ曰く「これは全く役に立たない。ダニエル・ノボア新大統領に統治してもらおう。エクアドルは出血多量で死にそうなのだ」と述べた。このようにコレア主義的立場からCONAIEを否定していたアギニャーガ県知事も党代表を辞任したている。彼女はビデオの中で、「家族を動揺させる誹謗中傷」の中で辞任すると断言した。また、この辞任は、ラファエル・コレア党首の妹であるピエリナ・コレア(Pierina Correa)下院議員からの厳しい批判を受けてのものであり、ルイサ・ゴンサレスが敗北した3日後のことであった。

 

CONAIEのレオニダス・イサ(Leonidas Iza)によればダニエル・ノボアを支持する先住民や民族は、単に「ファッショナブルな候補者を信じた」だけである。ダニエル・ノボア大統領候補がCONAIEの要求を「受け入れられない」とし、その指導者を「コレア主義」の支持者と呼んだ数日後、レオニダス・イザはADN同盟の候補者に反論している。イサによると、ノボアは「この国を理解しておらず、先住民族を理解していない。「われわれは(ラファエル・コレア前大統領が)われわれの領土に影響を与えた政策と闘ってきたのに、われわれをコレア主義の中に位置づけるのは大きな間違いだ」とノボアを評価した。コレアの支持者たちが先住民組織へ近づこうとしていたことは確かだ。しかしCONAIEは2人の大統領候補のどちらをも支持しないことを決めたと繰り返していたことも確かだ。イサによるとノボアを支持することを決めた人々や先住民国家があるとすれば、それは「候補者と流行の戦略にはまったから」だと指摘していた。

ノボアはヤスニ国立公園内で操業する油田のひとつであるブロック43-ITTからの石油採掘を停止するための国民協議で賛成票を投じたと言う噂を批判した。イサによると、ノボア一族が所有するノビスグループは、大規模鉱業部門に投資している。9月12日(火)から13日(水)にかけて、ノボアは先住民の支持を得ようとアマゾンでキャンペーン活動を行っていた。オレリャーナ、ナポ、テナの先住民コミュニティや社会的集団のリーダーたちと会合を開いており「私たちはエクアドル人家族に進歩を与えるというシンプルな提案で、正直な提案をしている」とノボアはラゴ・アグリオのコロシアムで述べ、先住民コミュニティーの住民が彼に渡した槍と葉のついた冠を受け取っている。

 

イサは「私たちはダニエル・ノボア政権に対し、これらの要求を具体的な行動で実現するよう要求し、エクアドルの多国籍性と異文化性を理解するよう促す」と述べた。

就任式の日程はまだ決まっていないが、ノボアは今年12月中旬に就任すると見られている。

 

参考資料:

1. La Confederación Indígena de Ecuador quiere condicionar al presidente electo Daniel Noboa
2. La  quiere condicionar al presidente electo Daniel Noboa
3. Daniel Noboa “no entiende al país”, dice el líder de la Conaie Leonidas Iza

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