(Photo:FotoPresidencia/ Flickr)
コロンビア大統領グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)と民族解放軍(Ejército de Liberación Nacional:ELN)アントニオ・ガルシア(Antonio García)との3回目の交渉は終了し8月3日から180日間停戦に入ることが合意された。6月9日金曜日、ペトロは本報告とともに「2025年5月にELNとコロンビア国との戦争は終結する」と和平交渉の指針を示した。本交渉は5月2日からキューバで行われていた。
ガルシアは、市民社会が交渉に果たす役割を強調し、自身が指揮するゲリラグループのすべての組織が一致団結し、和平の実現に同調していると断言した。
停戦に向けキューバのブルーノ・ロドリゲス(Bruno Rodríguez)外相は、停戦の仕組みを明らかにする共同声明を読み上げた。6月9日から7月5日までが準備期間で、その後7月6日に攻撃活動の停止命令が発効される。プロトコルのための全体会議を経て、停戦が8月3日から180日間(6ヶ月間)行われる予定だ。協定では、禁止行為を拡大し、カトリック教会や社会監視団の同行、保証国や随伴国の参加など、国連の監視・検証メカニズムを強固にすることを定めている。
https://twitter.com/BrunoRguezP/status/1667303120626393088
ELN代表団のパブロ・ベルトラン(Pablo Beltrán)代表は「今回の停戦は人道的な目的に基づきくもので、平和構築に向け社会が参加しやすい環境を整えるために、紛争の激化を抑えることを目的としている」と述べた。一方、国家政府代表団のオッティ・パティーニョ(Otty Patiño)代表は「このELNとの和平は、コロンビアが必要とし、それに値する完全な平和のためのマイルストーンとならなければならない」と述べている。
グスタボ・ペトロはハバナのCubanacán Protocol Roomで行われた閉会式でのスピーチで、現在行われている交渉の重要性を強調した。「これらの先進的な協定に署名することで、皆さんは以前の協定に署名した人たちとはまったく異なる状況に身を置くことになる。ある意味、これは私たち全員が参加した武装反乱という段階の終わりを意味する。ラテンアメリカは今、人類とともに異なる方法で変貌を遂げようとしている」と述べた。
ペトロは、今回の停戦で「対話の中で経験したことのない地点」に到達したと断言し、「2025年5月、ELNとコロンビア国家との数十年にわたる戦争は、決定的に終結する」とした約束に言及した。
アントニオ・ガルシアは、組織のすべての司令官と組織が和平交渉に参加していることを保証した。「我々が分裂していると信じ込ませようとする人たちの話を信じてはいけない。我々の声は一つであり、コロンビアで武装蜂起をしているものを代表している」と強調した。
ゲリラ司令官は、和平プロセスには市民社会が広く参加することが望ましいと主張し、ペトロ政権と結んだ停戦の範囲が実質的な協定ではないこと。「コロンビアを変えるための実質的な協定に向けた手続き的な協定に過ぎない」ことに触れた。
#MesadeDiálogos ALISTAMIENTO PARA EL PROCESO DE PARTICIPACIÓN DE LA SOCIEDAD Y EL CESE AL FUEGO BILATERAL. Con el #AcuerdodeCuba se inicia la convocatoria para iniciar el proceso de Participación de la Sociedad. Y arranca un proceso de Alistamiento para el Cese el Fuego Bilateral pic.twitter.com/oXpZYGbLDe
— Delegación ELN (@DelegacionEln) June 9, 2023
二国間停戦は重要な前進だ。しかし武力紛争の影響を最も受けている地域のコミュニティは、より多くの武装グループを巻き込む多国間停戦合意の必要性を主張し、この第3サイクルで十分に対処されなかった地域の人道支援も要求している。
「政府は人道的なコミットメントを行ったが、それを果たすための他の国家機関からの十分なサポートが得られていない。我々はこれを成功裏に終わらせるための努力をしたい」とパブロ・ベルトランは述べるとともに、約束が遵守されるかはそこに必要性がなければ実行されないと付け加えられた。
このサイクルの締めくくりとなるイベントの開始前に、グスタボ・ペトロ大統領は政府代表団(オッティ・パティーニョが団長)のメンバーと会談し、その後、ELN代表団との会談を行っている。
「この国にとって、非常に重要で歴史的な決定がいくつか控えている。全ては徐々に、積極的に、建設的に行われるだろう。生命と自由の問題がその決定の中心にある。IHLの適用と民間人の参加に対するELNの明確なコミットメントであり、これほどまでに踏み込んで話されたことはないだろう。ここで議論されたすべてのことを指針とし、それが領土的に実施される段階がやってくる」と、イベント開始前にダニロ・ルエダ平和高等弁務官は述べている。
この会談に参加してた教会・国家関係代表のモンシニョール・エクトル・ファビオ・ヘナオ(Monseñor Héctor Fabio Henao)は「このプロセスは非常に長いセッションを必要とした。(…)教会は、政府、ELN、国連とともに、検証・監視メカニズムの一翼を担うことになる」と司祭は語った。
第4回交渉は8月14日から9月4日まで、ベネズエラで開催される。
コロンビア、和平に向けた取り組みについてはこちらも参照のこと。
参考資料:
1. Gobierno y ELN firman cese al fuego y plantean fecha límite para acabar la guerra
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