中国:雲南の伝統料理「汽鍋」を食す(東京)

鍋の中央に「ろうと」が突き出た特有の鍋を用いて作られるチーコー(汽鍋)は中国の雲南の伝統料理の一つとして知られる。水を一切使わずに、素材から出る水分を用いて4~5時間じっくり蒸す調理方法をとる。しっかりと味がつき、体に染み入るスープは、その味付けが塩だけとはまるで信じることはできない。スープには素材から滲み出る栄養分・旨みエキスがたっぷり凝縮されており、絶品という言葉はこの料理のためにあるといっても過言ではない。

四ツ谷の日興苑で食べられるのは「汽鍋鶏(チーコージー)」だ。読んで字の如く具には鳥が入っている。食べるときはスープから鳥を取り出して、付け合わせの野菜にトッピング、併せて提供される醤油ベースのタレをつけて食べることとなる。野菜には生山椒がたっぷりと乗っていて、これがまたこの料理にパンチを加える。

この店で腕を振うのは中国政府認定、最高級の調理師資格である特級厨師を取得しているシェフである。「医食同源」が料理のベースとなるこの店の雲南料理はキャリアは40年のシェフによって作られる。汽鍋鶏を食べる退社が良くなり、とちょっとした風邪なら一気に治るとさえ言われるほどだ。

日興苑では鶏肉は食べ方を教えられるものの雲南ではスープだけが食されるという。コラーゲンタップリでしっかりと鶏の旨みが染み出したスープが美味しいのはこの上ない。いや、想像以上に濃厚な黄金色のスープは驚きに値する。ボリューム満点のスープも全く飽きることなく完食することができる。また、鶏肉もまた口の中でほろっと崩れるほど柔らかい。山椒を欲張って頬張れば、舌や唇が小刻みに震える。この感覚もまた独特だ。

山椒には胃腸の機能を高めたり、冷え性を改善するサンショオール、シトロネラール、ジペンテン、フェランドレン、ゲラニオールなどの有効成分が含まれる。また、中国では昔から山椒の葉が持つ強い香りが邪気を払うとされている。つまり、内からも外からも自らをエンパワメントに有効だ。

ちなみに汽鍋用鍋の使い方が面白い。湯を沸かした別の鍋の上に汽鍋用鍋をおく。すると「ろうと」を通じて鍋底の穴から汽鍋の中に蒸気が入ってきて、徐々に水分が溜まってスープになるというわけだ。

リピート確定の一品と言える。

 

 

日興苑 食彩雲南 過橋米線(四谷三丁目)

 住所
  東京都新宿区四谷3-3 エスパスコンセール1F (3-3, Yotsuya, Shinjuku-ku, Tokyo)
 電話
  03-5363-8338
 価格帯
  
 営業時間
  月~日、祝日、祝前日: 11:30~15:15 (料理L.O. 14:30 ドリンクL.O. 14:30)
              17:00~23:30 (料理L.O. 22:45 ドリンクL.O. 23:00)
定休日:年中無休(年末年始除く)
ホームページ
  https://nikkouen-shokusaiunnan.owst.jp/gallery

 

東京で食べられる各国の料理情報は「東京で世界飯」から。

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