エクアドル:3月26日発生のアラウシにおける大規模土砂崩れ

(Photo by Presidencia de la República del Ecuador/Frickr)

3月26日(日)21時頃、チンボラソ県アラウシ(Alausí)で、大規模な土砂崩れが発生した。1月からの同国を襲った豪雨は5つの地区を消滅させた。

国家危機管理事務局(Secretaría Nacional de Gestión de Riesgos:SNGR)が発表した速報によると、少なくとも16人が負傷し、約500人が被災、数十軒の家屋が泥に埋もれた。悲劇が起きた地域は、2月から土砂崩れのために「黄色い警告」が出されていた場所であり、2022年12月から地質断層が検出されていた場所である。山近くの別の丘にも亀裂が入っており、数十戸が埋まったことから600世帯がアラウシから避難している。再びの土砂崩れを恐れてのことだ。最も影響受けカントン周辺地域あるヌエバアラウシ(Nueva Alausí)コントロールノルテ(Control Norte)地域だこの緊急事態は、日曜日の21:00頃にチンボラソ県で「丘が崩れた」と通報されたことで発覚した。

 

大統領ギジェルモ・ラッソは、未だ見つかっていない被災者の救助を最優先とし、その後「責任者を明確にする」ことに集中すると述べた。

同時に大統領は、これまでに7人が死亡し、62人が行方不明になっていることを示したが、数分後に通信事務局から64人であることが報告された。死者の人数み当初発表されていた16人から7人に変更されている。死者数が正しく報告されなかったのは遺体の回収と遺体安置所への搬送で「エラー」が記録されたことによる。

ラッソは被災したカントンを視察した際、複数の住民から、同カントンの住民で構成される委員会を設置し、住民のための復興計画を立てるよう求められた。一方の大統領は、地元当局との会談で、市民や家族に対応するために「必要な資源」を用意したことを明らかにした。また、大統領は、さまざまな団体のチームによって行われている捜索・救助活動をグラウンドゼロで実際に目で見ることができたと述べている。大統領の説明によると救助隊員は、地形が脆弱なため、重機を使わず、つるはしやシャベルを使って捜索を続けている。こうした捜索活動は、夜以降の時間帯も、必要なだけ続けられる。

 

チンボラソ県知事事務所は、被災者を支援するため、食料収集センターを準備していると述べている。軍隊は、一時的な避難所のための物資の輸送に協力的である。赤十字も地滑りの現場に到着しており被災者に「プレホスピタルケア」を提供している。近隣の村の住民も早朝に到着し、救助活動に当たっている。ラッソは、被災者のためにすぐに集合住宅が設置され、カントンへのアクセス道路と飲料水システムの復旧作業が始まっていることを述べている。

土砂崩れで大きな影響を受けたカスアル(Causal)セクターではE35 リオバンバ(Riobamba) – クエンカ(Cuenca) 道路が閉鎖されている。代替ルートは、リオバンバ(Riobamba) -コルタ(Colta) – パラタンガ(Pallatanga) – クマンダ(Cumandá) – エル・トリウンフォ(El Triunfo) – スウ(Zhud) – クエンカ(Cuenca)だ。道路状況はこちらで確認可能だ。

なお被災した家族を収容するために、カソナ・ムニシパル(Casona Municipal)、コリセオ・デ・グアスント(Coliseo de Guasuntos)、コリセオ・デ・シバンべ(Coliseo de Sibambe)の3つのシェルターが設置されている。

「私の母は埋葬された」と、他の家族も失ったルイス・アンヘル・ゴンサレス(Luis Ángel González)58歳は語った。「私はとても悲しく、打ちのめされている。ここには家も何もない。私たちはホームレスとなり、家族もいなくなった」。

住民たちは地元メディアに、地滑りの前に山で揺れを聞いたと語っている。地滑りは、木々や家屋、その他の建物を押し流した。50軒以上の家屋が何トンもの泥や瓦礫の下に埋もれた。緊急対応機関は、この地域の飲料水供給の60%が地滑りの影響を受けたと発表している。

 

1以降エクアドルでは豪雨によりすでに22死亡346失っている。SNGRによる6,900以上家屋被害受け72倒壊。海岸地方最も被害たのは マナビ(Manabí)県グアヤス(Guayas)県サンタエレナ(Santa Elena)県エルオロサントドミンゴロスツァチラ(El Oro Santo Domingo de los Tsáchilas)県ロスオス(Los Ríos)県、山岳地域ではコトパクシ(Cotopaxi)県ボリバル(Bolívar)県チンボラソ(Chimborazo)県だ。

27日、エクアドル先住民連盟(Confederation of Indigenous Nationalities of Ecuador:CONAIE)代表のレオニダス・イサ(Leonidas Iza Salazar)もまたアラウシに到着している。より多くの援助を得られるように調整していると述べている。

 

昨年も大雨と開発をきっかけとした土砂崩れが発生しており、死者も出ている(詳細はこちら)。

 

参考資料:

1. “Mantengamos la esperanza y la fe de que vamos a encontrar a alguno de sus parientes vivos”, dice Guillermo Lasso al arribar a Alausí y comprometerse a entregar recursos necesarios para atender emergencia
2. Todo lo que se sabe de la tragedia de Alausí que ha dejado al menos 16 fallecidos y 500 personas afectadas
3. Photos: Aftermath of the deadly landslide in Ecuador

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