農業畜産省(Ministerio de Agricultura y Ganadería:MAG)は、エクアドルで発生した鳥インフルエンザを受け18万羽の鳥の殺処分と、さらなる感染回避を目的とし、制御のための対策を実行する。エクアドルには現在2億6300万羽のニワトリと1600万羽の採卵鶏がいると同省は発表している。
Es importante seguir las medidas de bioseguridad para evitar la propagación de la influenza aviar. Proteger el sector avícola es tarea de todos. pic.twitter.com/9o5sNB4rKi
— Ministerio de Agricultura y Ganadería (@AgriculturaEc) December 2, 2022
MAGによるプロトコルには、対象地域にいる感染しやすい家禽の検疫、監視、サンプリングが含まれている。インフルエンザのアウトブレイクはエクアドルにいる家禽数の0.15%を襲った。
他県における鳥インフルエンザの影響排除を目的に植物・動物衛生規制管理庁(Agrocalidad)と同省は共同で臨時要員580人をエクアドル全土に配置した。これらの技術者はインフルエンザが発生した以外の養鶏場を監視、モニタリング、サンプリングをする。
高病原性鳥インフルエンザウイルス( los virus de la influenza aviar altamente patógenos)の検出とともに、MAGのベルナルド・マンサノ(Bernardo Manzano)長官は11月29日に植物・動物衛生規制管理庁(Agencia de Regulación y Control Fito y Zoosanitario:Agrocalidad)が定める本病の制御と根絶のための衛生措置を実施する閣僚合意134号にも調印している。
あわせて動物衛生緊急事態(Estado de emergencia zoosanitaria)が宣言した。90日間の緊急事態中は、ウイルスが発生した農場からの鶏肉、鶏肉製品、卵、鶏などの副産物の移動はできなくない。MAGは、鳥インフルエンザは卵や鶏肉を摂取する人の健康リスクにはならないことを強調している。
エクアドルには1,810軒の鶏肉のための農場があり、18億ドルを売り上げている。これは南米諸国の農業国内総生産(GDP)の23%に相当する。
鳥インフルエンザ(influenza Aviar/gripe aviar)とは主に鳥類が感染する感染症で、オーソミクソウイルス(Orthomyxoviridae)科のウイルスによって引き起こされる。パンアメリカンヘルスオーガニゼーション(OPS:Organización Panamericana de la Salud)によるとその亜型によって低病原性と高病原性に分類される。低病原性鳥インフルエンザウイルスは軽症で、気づかないうちに、あるいは症状のないまま過ぎ去ってしまうことがある。一方の高病原性鳥インフルエンザウイルスは、主にA型の亜型(H5、H7)により引き起こされ、鳥類に深刻な病気を引き起こし、急速に広がり、高い確率で感染した鳥は死んでしまう。
朝日新聞に日本においても12月2日時点で23例(今季)発生している。12月2日に発生した鹿児島県出水市の養鶏所でも殺処分数は採卵鶏約12万羽に及ぶ。同市では4例目となるが、3例目では過去最大規模約47万羽を殺処分することとなった。各々殺処分にあたっては自衛隊に災害派遣を要請している。大規模殺処分が続く鹿児島県畜産課の担当者は「環境中のウイルス濃度が相当高いと考えられる。養鶏産業への影響は甚大。衛生管理基準や消毒を徹底するしかない」と述べた。
同市はツルの越冬地で有名だ。野鳥への感染も前例にない水準で広まっており、県自然保護課によると、出水平野などの42カ所で計約1040羽のツルの死骸や衰弱個体を回収している(11月1日〜1ヶ月)。これは過去最多だった2020年度の125羽を既に大幅に超えるものだ。
鳥インフルエンザと呼ばれるこの病気は、多くの場合、野鳥によって感染し、その野鳥が家禽類にウイルスを感染させることがある。
エクアドル近隣のペルーにおいても同感染症は発生している。ペルー国営の国立森林野生生物局(Servicio Nacional Forestal y de Fauna Silvestre de Perú)の職員であるドリス・ロドリゲス(Doris Rodríguez)は、地元ラジオ局RPPに対し、主に北部と中部で、1万羽のペリカンを含む約1万3800羽が鳥インフルエンザで死亡していると語った。国立農業衛生局(Servicio Nacional de Sanidad Agraria)は家畜のうち何羽を殺処分するかは明言していない。一方感染対策を目的とペルーの保健当局(autoridades sanitarias peruanas )は、屠殺された鳥を少なくとも2メートルの深さに埋めるよう命じた。
参考資料:
1. 180 000 aves se sacrificarán como parte del protocolo de control de influenza
2. Ecuador y Perú declaran emergencia zoosanitaria por brote de influenza aviar
3. 高病原性鳥インフル、鹿児島で4例目 12万羽の殺処分開始
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