エクアドル大統領ギジェルモ・ラッソ(Guillermo Lasso)は、6月28日(火)に全国放送されたメッセージの中で、エクアドル先住民族連合(Conaie)の指導者たちとの話し合いを続けないことを発表した。背景に同日早朝にアマゾン地帯で起きたデモ隊による「襲撃」で兵士が死亡したという事件がある。ネルソン・プロアニョ(Nelson Proaño)国軍統合司令部長によると、先住民の動員により通常の燃料供給に影響が出ていることから、国軍は国家警察と公営企業ペトロエクアドルと連携し、「炭化水素システムの生産を維持し崩壊を避けるため、シュシュフィンディ(Shushufindi)からITT(イシュピンゴ(Ishpingo)・タンボコチャ(Tambococha)・ティプティニ(Tiputini))石油ブロックへのディーゼルタンカー17台の移送をしていたという。燃料輸送のタンカーを警備していた車列は、100人の暴徒化した人々に攻撃され、その結果、軍曹であるホセ・チマロ(José Chimarro)が死亡した。「エクアドル人の平和を奪おうとする者たちとの対話に腰を下ろすことはできない」とラッソは述べている。大統領はまた、国家警察と軍隊の警官12人が銃器や槍で攻撃されたとして、何人かが重症を負ったと述べた。また、アスアイ(Azuay)県では、南部県の病院の患者を治療するための酸素を積んだ車列をデモ隊のメンバーが通行妨害したことを、犯罪行為であると非難した。「エクアドルを人質に取り、治安部隊を攻撃し、エクアドル人の健康と生命を危険にさらす連中と交渉することはない。必要な保証が存在しない限り、対話プロセスを継続することはできない」とも述べている。ITT鉱区はヤスニ国立公園にある。国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)からも「生物圏保護区」に指定されており、世界でも最も生物多様性に富んだ 地域のひとつだ。アマゾン流域でも最も自然が損なわれ ていない地区としても知られ、その貴重な生物・文化の多様性は我々の遺産でもある。この地区においては生活の一部でもある自然を守りたい先住民族たちと、石油という天然資源を経済発展に役立てようとする政府との間で頻繁に議論になっている。ラファエル・コレア時代にヤスニITTイニシアティブを立ち上げるも、求めるほどには資金が集まらず、構想は頓挫、この地区での開発が始まった。先週の日曜日、エネルギー鉱山省は、先住民の抗議行動中の道路閉鎖や井戸への破壊行為のため、同国の主要輸出品である石油生産が2日以内に停止すると警告していた。デモ隊と法執行部隊の間では約400人の死傷を伴う衝突が発生している。
El gobierno rompe el diálogo confirmando su autoritarismo, falta de voluntad e incapacidad.
Responsabilizamos a @LassoGuillermo de las consecuencias de su política belicista. Exigimos respeto para nuestro máximo líder.
Lasso no rompe con Leonidas, rompe con el pueblo.#CONAIE pic.twitter.com/uPJkPYysoL— CONAIE (@CONAIE_Ecuador) June 28, 2022
デモは先住民族組織を中心に農民、活動家が加わり6月13日からデモは開始されている。燃料費の値上げ、高い生活費やラッソ政権の経済政策への拒否を訴えている。CONAIE会長のレオニダス・イサ(Leonidas Iza)はラッソによる交渉の中止を批判しながらも、リセオ・マトヴェレ(Liceo Matovelle)で保証人たちと会談の再開を試みている。また、ビルジリオ・サキセラ(Virgilio Saquicela)国会議長、ディアナ・アタマイント(Diana Atamaint)全国選挙管理委員会(Consejo Nacional Electoral:CNE)議長、セサル・コルドバ(César Córdova)透明性機能議長たち保証人が、協議継続に同意し、ラッソに対話への復帰を呼び掛け、また明日9時に会おうと話した。セサル・コルドバも、こうした対話こそが紛争解決につながる唯一の方法であると主張し、いずれにしても暴力行為に対しては強く非難した。
#ATENCION
El ministro @panchojimenezs de @MinGobiernoEc dijo ayer: "Yo necesito que Uds. confíen en nosotros, no tengo problema de continuar este diálogo mañana a las 09:00". En la mañana @LassoGuillermo rompió el diálogo y desechó las palabras del ministro#ParoNacional2022 pic.twitter.com/BjzXWgxNcS— CONAIE (@CONAIE_Ecuador) June 28, 2022
CONAIE代表はリセオ・マトヴェレの外にいるデモ参加者に冷静さを求め、政府との対話はまだ終わっていないこと、そこでの進展と決定について速やかに報告すると述べている。また、Casa de la Cultura、キト中央大学、サレジオ大学、La Gascaにいる人々には、何も行動を起こさずに団結を保つようにと依頼した。
政府とCONAIEたちの対談は月曜日午後、冷静とともに始められていた。
エクアドルでは過去25年間に3人の大統領が突然退任している。それを牽制したのが、国内の18民族、14国籍を束ねる先住民族連合体CONAIEである。経済社会権センター(CDES)のディレクターであるパブロ・イトゥラルデ(Pablo Iturralde)は、CONAIEについて「先住民運動は単なる民族組織ではなく、国家や民衆のニーズや利益の一部であるニーズを共有し、現在のように中流階級や上流階級の共感を集めている」と説明している。「貧困にあえぐ人々は、社会的要求の先頭に立つ傾向があり、他のセクターにはない組織を享受している。これは、限界集落や労働組合の連合体、その他の大衆セクターには見られない、地域社会や先祖代々の組織の形だ」。
今回の全国ストに関する他の情報はこちらから。
参考資料:
1. Garantes llaman a Lasso a continuar las negociaciones con la Conaie
2. La CONAIE, un movimiento indígena “pesadilla” de los presidentes de Ecuador
3. Lasso suspende el diálogo con la Conaie por ataque a militares en Shushufindi
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