(Photo by Ministerio Ambiente, Agua y Transición Ecológica)
ガラパゴス諸島のサンクリストバル(San Cristóbal)島に生息するゾウガメが新種のものであったと3月10日(木)報じられた。ニューカッスル大学(Newcastle University)やイェール大学(Yale University)、ガラパゴス保護協会(Galápagos Conservancy)などが参加し、遺伝子解析を行った結果に基づく。
サンクリストバル島に生息するのはサンクリストバルゾウガメ(Chelonoidis chathamensis)という種であると考えられていた。このカメは元来の生息域の大部分において乱獲や野生のロバによる巣の踏みつけ、野犬による子ガメの捕食で個体数が激減していたが絶滅危惧種となったガラパゴスゾウガメの人工繁殖機関による個体数回復のための努力や、ゾウガメを守るための巣付近におけるフェンス設置、犬の駆除で数は回復していた。24,000匹程いたゾウガメは1970年代には500~700匹にまで減少した。これは人間による接触による結果だ。2016年11月に行なった個体調査では、成熟したカメが約2,700頭、子どものカメが約3,750頭と急速にその数を回復していることが確認されている。すでに絶滅したより扁平な殻を持つ種と比較すると成体のオスの甲羅は鞍背型で、メスや若いオスは中央部が広く、ドーム型になっている。
NOTICIA | La especie de tortuga gigante que habita la isla San Cristóbal, hasta ahora conocida científicamente como Chelonoidis chathamensis, corresponde genéticamente a una especie diferente, que se creía extinta desde inicios del siglo XX.
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今回見つかったカメはサンクリストバル島に生息し20世紀初頭に絶滅したサンクリストバルゾウガメと近縁のゾウガメである。chelonoidis chathamensisではないことから今回発見された個体は別の名前で識別される必要がある。現在同島に生息している約8000匹のカメは、新たに発見されたものであり「1906年にカリフォルニア科学アカデミーが島の上部の洞窟で採集した遺骨に基づいて記載した系統(Cheledonis chathamensis)は絶滅した可能性があり、2種の亀が島で一緒に暮らしていた」とのではないかと科学報告書に記載されている。ガラパゴスゾウガメのDNA研究は1995年に始まり、1999年末までに現存する全種が記載されていたはずだった。全種類確認された後、絶滅種の研究がこの国では行われた。
「研究チームは、絶滅種と思われるカメのDNAをさらに回収し、現存種と絶滅種という2つの種の関係を明らかにしようとしている。そのためChelonoidis chathamensisという名前は絶滅種に割り当てられ、現存する分類群には新しい名前が与えられるべきである」と、公式声明で付け加えた。
2022年3月7日(月)、サンタクルス島で巨大なガラパゴスゾウガメが轢かれたことを「Bitácora ambiental」が報じている。プエルト・アヨラ(Puerto Ayora)近郊のビーチ、ガラパテロ(Garrapatero)への道で発生した。今年に入ってから車に轢かれたゾウガメは諸島で2匹目で、1回目は2月15日に事故は発生している。事件の詳細や責任者はまだわかっていないが、人間との接触はこのようにしても生態系に影響を与えている。バイオテクノロジーの専門家であるアンドレア・チャベス(Andrea Chávez)は、自身のTwitterアカウントに「警告、ガラパゴス!」と書き込み巨大なカメへのこのような事故を回避するためにも適正なスピードについて考えること、そしてこのような出来事がせっかく人々が行なってきた保護プログラムを台無しにしてしまうと警鐘を鳴らした。
#Ecuador | El siniestro ocurrió, según varios reportes, en la vía al Garrapatero, una playa cerca a Puerto Ayora, dijo el medio digital @BitacoraEc, que aborda temas medioambientales. https://t.co/c1tMMSSmxL#LDMnoticias #lodelmomentolojaLDM pic.twitter.com/GXtONfXHWx
— Lo del Momento Loja LDM (@lodelmomentoloj) March 8, 2022
これらの標本は、セントクロイ島西部のゾウガメとして知られるChelonoidis porteriという種に属し、この島に2種いるうちの1種とされている。国際自然保護連合(Unión Internacional para la Conservación de la Naturaleza :UICN)のレッドリストによると、本種Chelonoidis porteriもまた絶滅の危機に瀕しているとされている。
エクアドル大陸の西約1,000kmの太平洋上に位置するガラパゴス諸島は、生物多様性に富んだこの諸島で、種の自然淘汰に関する理論の着想を得た英国人チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)などの偉大な科学者が綿密な研究を行った巨大な自然の実験室と考えられている。
ガラパゴスに関して言えば国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)でエクアドルは近隣のコロンビア・コスタリカ・パナマとともにガラパゴス諸島の海洋保護区を拡張し、気候変動や商業漁業によって脅かされているシュモクザメ・ジンベエザメ・ウミガメが回遊できるように回廊を作ることとしている。ただし毎年ダイオウイカ漁のためにやってくる300隻の中国の漁船業団を制限することは本保護区の設置ではできない(詳細はこちら)。
参考資料:
1. Hay una nueva especie de tortuga gigante en Galápagos; científicos hallaron que las que viven en San Cristóbal son de una nunca antes descrita
2. Identifican a tortuga gigante de Galápagos con otra extinta hace un siglo
3. Tortuga gigante fue atropellada en Galápagos
4. En Galápagos se descubre nueva especie de tortuga gigante
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