公衆衛生省(Ministerio de Salud Pública:MSP)は、衛生法(Ley Orgánica de la Salud)に基づきCOVID-19対策のためのワクチン接種の義務化を宣言した。
これは現在の感染者数の増加や、オミクロンのような「懸念すべき」新型ウイルスの流行に起因するもの。高い感染能力や医療施設(特に入院患者による)の逼迫が国際的にも見られることから、本措置を取ることを決定している。これは2021年12月23日にMSPが発行した「SARS-CoV-2に対する強制接種のためのガイドライン」に記載されている。同省によると、この文書には、2022年1月22日まで、12歳以上の人は、ショッピングセンター、バー、レストラン、教会、映画館、劇場など非本質的な活動をするにあたっては予防接種カードの提示が必要になるという国家緊急事態対応委員会(COE)の決議が含まれている。なお医療サービス、教育、一般的な公共サービス、職場の利用は対象外であり、病気や禁忌のある人物への予防接種は義務付けられていない。
なお上記対策にあたっての法的根拠は以下の通り。
- 保健法第6条第4項
国及び地域の疫学的現実が求める条件において、特定の疾病に対する予防接種の義務性を宣言すること、規範及び国の基本予防接種スケジュールを定めること、並びに国民にこれを遵守するために必要な要素を無償で提供する - 共和国憲法第32条
健康の促進と包括的なケアのための公共政策、プログラム、行動、適時サービスを通じて国家が保証する必要がある - 憲法第83条
公益を促進し、私的利益よりも一般的利益を優先させることがエクアドル人の義務
今まで抑え込んでいた感染者も12月20日から21日にかけて467人(国内)に増加している。また病棟のベッド稼働率も増加し、集中治療室(ICU)においては稼働率が24%から77%となってしまっている。この数値はMSP、エクアドル社会保障院(Instituto Ecuatoriano de Seguridad Social:IESS) 、国家警察社会保障院(Instituto de Seguridad Social de la Policía Nacional:ISSPOL)、軍隊社会保障院(Instituto de Seguridad Social de las Fuerzas Armadas:ISSFA)、民間診療所の医療ユニットを含む統合医療ネットワークの医療施設全体で数値だ。
エクアドル国民1600万人(5歳以上)のうち77.2%にあたる1240万人がすでに2回の接種を受け、医療従事者や高齢者、免疫抑制のある人へのブースター投与も進んでいる。
ワクチンの義務化はドイツ、オーストリア、ギリシャなど欧州の数カ国でも実施される予定だ。
ただしエクアドルが他国違うところは世界で初めて5歳以上の全人口へのワクチン接種を義務化することにある。
MSPはワクチン接種が病気から身を守る盾であることを国民に喚起している。特に高齢者や悪化させる疾患を持つ人などハイリスクグループにおいてはなおさらで、病気の重症化、入院、ひいては感染者の死亡を防ぐことができるとしている。
参考資料:
1. Ministerio de Salud de Ecuador declara obligatoriedad de la vacunación contra el COVID-19
2. Ecuador declara obligatoriedad de vacunación contra COVID-19
3. La vacuna ya es obligatoria en Ecuador
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