儲け話をしようというわけではないがとある記事に出会ったこと、元から宇宙好きということもあり、書かずにはいられない。世界的に著名なオークションハウス “クリスティーズ(Christie’s)” で、この度見たこともないものが出品されることとなった。
それは国際宇宙ステーション(ISS)で14ヵ月もの間熟成されたワインだ。”PETRUS 2000″という名のワインはフランスのボルドーで作られた。アメリカ航空宇宙局(NASA)のある米国にはその土地のワインもあるし、そもそもトランプ元大統領によるEU産ワインへの追加関税措置発言で炎上もさせていたわけだから、アメリカ産で行けばいいのにと思うも、やはり老舗には負けるらしい。
2019年11月に飛び立った12本のワインは2021年1月、無事地球へ帰還した。
約1億900万円(推定)もの価格で取引されるだろうこのワイン。8本は研究に用いられ3本は試飲用、そして残る1本が今回出品されることになるという。なお、そのワイン、地球で熟成されたものももちろん美味しいが、宇宙から戻ってきたものは、出て行った時とは別人(別ワイン)のように成長したとのこと。専門家の評価によるとタンニンはソフトになり香りは豊かでとにかく素晴らしいかったという。
いつかその値の10万分の1とか1万分の1とかで賞味することができるのだろうか。と思っていたら、このワイン、地球で発酵されたものでも1本65万円。高嶺の花だ。このワインかどうかは別として、宇宙関連のプロダクト開発が進み、いつか私が、もしくは友達から宇宙旅行からのお土産だよとワインを持ち帰れる日が来るだろうか。期待して待っておくことにしよう。
なお、今回のオークションにおける落札者はデカンタとグラスに加え、隕石でできた栓抜きももらえる。植物がどのように宇宙の無重力空間でにおけるワインの熟成にはNASAも関心を持っており、引き続きこのような研究は進められるとのこと。その収益もまた同様の研究開発に使われる予定だ。
ペトリュスは世界最高峰のテロワールから生まれるボルドーワイン。小さなブドウ畑(11.4ha)で作られ、世で最も丁寧に扱われるワインと表される。年間生産本数はわずか4,500ケース程度というから、伝説中の伝説と言える。
参考資料:
1. 対岸の火事ではない、米国ワイン業界がEUワインへの100%関税に猛反発
No Comments