お疲れ様、ラウル第1書記

4月19日キューバ共産党(PCC: Partido Comunista de Cuba)トップのラウル・カストロ第1書記(89)が第8回党大会の閉会とともに引退する。もともと予定されていたイベントではあった。とは言え、米国による経済封鎖で傷んだ経済状況や国内事情、さらにはCOVID-19の影響もあいまってなおいっそう経済状況がガタついているこんなときに退任してしまうのかという疑念もあった。(経済学者でも政治研究家でもないので、完全なる個人的な思い) が、きっぱりと彼は引を退宣言をした。

彼の退任を引き止める人もいた中での引退というから(当たり前と言えば当たり前だとは思うが)以前から噂されている体調(癌説)も関係してのことであろうか。

どうしてもカリスマちっくなフィデルやチェが目立ってしまうものの、2008年から国を率いたラウルの功績も大きい。ネルソン・マンデラの葬儀でのオバマ前米大統領との握手に始まり、オバマによる訪玖。そして両国の国交回復。その後トランプ前米大統領の政策により、またも経済封鎖に陥るも、ラテンアメリカだけでなく、世界的にも大きく取り上げられるに値する歴史的瞬間だったと記憶している。私も同年同国を訪れたが、タクシーには米国機が掲げられ、運転手が「オバマが来るんだよ」と嬉しそうに話していたことも印象深い。

それ以外にも賃金における上限撤廃やキューバ人による海外渡航の規制緩和、国営企業の民営化拡大など積極的に推し進めた。国営通信会社エテクサと米グーグルによるインターネット接続協定などは、個人的には度肝を抜かれた一大事であった。(ソフトウェアの販売やクラウド利用などは未だ米国輸出規制の対象)

個人的にはキューバ独立50周年元旦にテレビに食い入るようにして見たラウルの演説、前日にサンチアゴで見た予行式典も忘れられない。

彼の引退後はキューバ革命を知らない世代のミゲル・ディアスカネル大統領が新第1書記に就任する。今後キューバがどのように進んでいくのか、大注目である。 注目と言えば臨床の最終段階にあるCOVID-19ワクチン、ソベラナ(SOBERANA)についても大いに期待したい。

この効果が見ろめられれば人道支援のみならず、今一度キューバ医療の高度さを世界に知らしめる良い機会となる。もしかしたら医療目的の観光なども視野に入れられるかもしれない。

 

旅行ができるような状態になったらどこに行きたいか、よく問われる質問である。 が、間違いなく言うだろう。メキシコとキューバ、と。

なお、ラウルはサンチアゴ・デ・クーバあたりで過ごすらしいからサンタ・ イフィヘニア墓地にフィデルのお墓参りに行ったときに偶然会っちゃったりしたら、感極まりおかしくなるだろうな、私。笑

 

独立から62年、本当にお疲れ様でした。

※講演会で聞いた開発中ワクチンについては時間があれば共有予定

2 Comments

  • miyachan 04/20/2021 at 23:45

    キューバへの深い造詣と愛を感じるブログだね。ワクチンは少なくとも日本よりは進んでいるんですね。知らなかった。
    ラウルさんも、演説ではビバ・クーバ・リブレと言ってましたね。呑みたくなりました。

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    • MARINA 04/21/2021 at 22:00

      並々ならぬ思いがありますねw

      Reply

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