不意にカレーが食べたくなった。一言でカレーと言っても、日本の家庭でよく食べられるものから、本場インドやネパールのもの、さらには各国で楽しまれている多種多様なものまで、数え切れないほど存在する。
今日はどれにしようかと思案していたところ、ふとネットで検索してみると、最近できたばかりらしいエチオピア式カレー「ドロワット」を提供する店を見つけた。そのためいてもたってもいられず、早速その店へ向かうこととした。
「ドロワット」はエチオピアの伝統的な煮込み料理で、鶏肉をエチオピアのミックススパイス「バルバレ」でじっくり煮込んだものを言う。この料理はエチオピアでは新年や結婚式などのお祝いの席で食べられるごちそうとしても知られる。
東京都中野にある店「サファリカレーショップ」のカウンターに並ぶ椅子は五つほどで、客と店のスタッフとの距離が非常に近い店である。居心地が良いこともあって、すでに常連客がつき、大賑わいとなっていた。
そのお店のオープンは2020年7月であり、なんとも難しいタイミングでの幕開けであった。この時世界はCOVID-19パンデミックで大きく揺れていた時であり、誰がビジネスをやってても困難な時期であったに違いない。それにもかかわらず、初めて自身の店を出店したこのオーナーの明るさも、多くの人を惹きつけてるきっかけになっているのだろう。
自慢のカレーも、もちろん美味である。
オーナーと話していて、不思議な縁を感じたことがある。それは、ここの看板メニューである「ドロワットカレー」が、かつて私が時折足を運んでいた赤坂のエチオピア料理店「サファリ」監修のものであったということだ。
ちなみに、「ドロワット」とはエチオピアの公用語アムハラ語で、「ドロ=鶏肉」、「ワット=シチュー」を意味する。したがって、正確にはカレーというよりも“チキンのスパイス煮込み”といった料理である。それでも、サフランライスにかけて食べるスタイルがスープカレーに似ており、見た目的にも日本人には「カレー」と呼んだ方が伝わりやすく、ゆえにこの名がつけられたと考えられる。
この店のシンボル・メニュー「ドロワット・カレー」はスパイスがやや効いたサラサラとした口当たりが、サフランライスとよく合い、非常に美味である。一方このお店にはトマトをふんだんに使った「トマトマカレー」や、やさしい風味の「チキンカレー」など試してみたいものもある。これらは辛みが控えめとのことである。
締めには、珍しい「マンゴービール」をいただいた。これは、マンゴージュースに生ビールを割ったものである。一口含んだ瞬間、アフリカの強い日差しの下で、爽やかなビールを楽しんでいた記憶がふとよみがえった。
サファリカレーショップ
住所
東京都中野区中野2-14-20
電話
03-6382-8950
価格帯
営業時間
11:00~21:30
水曜日定休
このお店の詳細は、Twitterからどうぞ。
No Comments