新型コロナ騒動からちょっと身を引いて

新型コロナウィルスの影響もあり、国内においてはまるで外出することが悪のような雰囲気に満たされていた。そのせいかニュースを見れば各観光地における旅行者の急減、宿泊施設へのキャンセルの急増が連日のように伝えられた。これでは観光業が立ち行かなくなる、少しでも何かのお手伝いができればと思い立つ。

雑誌を勢い良く広げ遠方ではなく、おいしいご飯と大好きな温泉を楽しめる、そして大観光地ではない場所にある条件に宿を探すと、ビビットくる一件が見つかった

群馬県下仁田温泉にある清流荘だ。高崎からローカル線を乗り継ぎ1時間、さらにそこから徒歩20分の場所にそれはある。明朝すぐに予約の電話をかけた。

 

新宿から高崎線のグリーン車に乗ること2時間初めての土地高崎に着く。そこは思っていたよりも栄えていて、百貨店や大型スーパー、駅ビルも充実していた。

少し遅い昼食を取り少々駅前を散策。1時間に2本の上信電鉄にて終点駅下仁田へと向かう

 

2両編成の電車にコトコトと揺られ、20ある全ての駅に停車。ついに下仁田に着いた。商店街を抜けると得も言われぬほど変わった形の山が次々と眼に入る。いや、それだけではない。顔を下に向ければかわのほとりに青くて大きな岩が寝そべっていた。全く以て見たことのない景色である。

 

歩くと20分無事に宿に到着した、と言いたいところだったが道を間違えた、ほたる山公園にまで来てしまった。ちらほらと咲きほこりる梅を眺めては、山の勾配同様、急上昇を続けるテンションを落ち着かせた。そう、宿はもうすぐそこだ。

 

新型コロナウィルスの影響で宿へのキャンセルは続いた。評価が高く人気のこの宿も嫌なブームに巻き込まれ、今日はなんと私の貸切と言う。

人がおらず静かだからこそ味わえる自然への音に耳を傾け、今日は目一杯リラックスをすることとする。

 

まずは食事。待ちに待ったイノシシ鍋や雉子のお吸い物、ヤマメの塩焼きに名産のこんにゃくの刺身と下仁田ネギのぬた、さらには鯉の刺身がコタツの上いっぱいに並んだ。

いい気になって地酒もオーダーし、心行くままその豪華で美味な夕食を堪能する。

 

もちろん温泉だって貸切だから、2時間誰に邪魔されることもなく独り占めすることができた。この温泉の良いところは温度が比較的低音であること、その結果としてのぼせることなく長い時間浸っていられる。日頃の疲れをこれでもか!と言うほど取ることができた。

今日はこのまま水のせせらぎに耳を傾けながら、テレビをつけることもなく、日本酒を飲みながら過ごすこととしよう。

ときにはメディア断ち、世の中の騒動から目をそらせることも大切だ。

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