バニラの国としても有名な国、マダガスカルを訪れた。
この土地では年間約1100~1400トンものバニラが生産され、その量は世界の総生産の60%をしめる。
少しバニラについて見てみよう。
バニラ栽培には手間と時間が大いにかかる。
新芽が花をつけるまでに3、4年、受粉のできる日数は年数日に限定され、そしてその受粉自体も手作業で行われなければならない。つまり、開花から出荷までおおよそ1年半が必要となるわけだ。
そんな努力の反面、収穫率は極めて低い。
これがサフランに次いでバニラが高価なスパイスと言われる所以である。
2019年現在オーガニック素材への需要の高まりもあり、1キロのバニラの価格は同量の銀よりも高値で取引されるようになった。「グリーン・ゴールド(緑の金)」と言う名の特に高額なバニラを巡り盗難や殺人事件が起き、そして、マダガスカル産と偽って、質の劣る製品が世界市場に出回るようになった。それがバニラを巡る甘くも極めて苦い側面である。
そんな貴重なバニラを使った土産を買おうとスーパーに向かう。
バニラスティックももちろん魅了的ではあったが、やはり長く楽しめるものが良い。
そんな思いから、手に取ったのはザマ(Dzama)社のロン、バニラ・ジンジャー入りだった。
ザマは誰もが知るメーカーでその国のスピリッツ市場の60%程度を占める。
自身のミッションをマダガスカルの文化、伝統に現代性も取り入れたアルコール製品を作成し、それを通じマダガスカルの持つ洗練されたイメージとプライドを伝えることだとしている。
マダガスカルでのバニラ栽培については上述の通りだが、実はサトウキビも同国農作物の15〜20%を占めていることを考えると、国を代表するものたちのコレボレーションである。
飲んだ感想は以下の通り。
2019年12月12日開封。
栓を抜いた直後から漂ってくるバニラの香り。
口をつければ、ジンジャーがピリリと舌を攻撃し、その後に口いっぱいにバニラの香りと甘さが広がってくる。印象を一言で表せば “ツンデレ” だ。
ストレートで飲んでももちろん美味しいが、お湯わりだとリラックス感半端ない。
立派なバニラが一本とともにジンジャーも結構入っている
巡るべくして巡り合った、奇跡のスピリッツ、出会ったら是非買ってみてほしい。
なお、味はバニラ、ジンジャー以外にもいろいろとある。
ロンの情報
Dzama Arrangé Vanille Gingembre
生産
マダガスカル
カテゴリー
Dzama Arrangé
味付け
バニラ、ジンジャー
ホームページ
https://dzama-international.com/
Wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Dzama
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