旅先では、さまざまな音が耳に入ってくる。
町で聞くクラクションの音、市場での快活な呼び込み、森で楽しそうに歌う小鳥たち、そしてキツネザルが特異な声でコミュニケーションをとる様子。
アシカはゴロゴロと喉を鳴らしながら、時折喧嘩の声をあげたり、食料をねだるかのように声を上げることもある。
日常生活では、周囲の音に注意を払うことは多くない。
だからこそ、旅先では少し立ち止まり、耳を澄ませてその土地特有の音を聞き、その音源を探してみることが新鮮であり、またその国を知る上でも役に立つ。
乗り合いバスでも楽しい経験ができる。
ドライバーが選曲した音楽が車内に流れると、乗客は一体となる。
ある者は音楽に合わせて歌い、ある者は体を揺らす。
さっきまで泣いていた幼い子供も、いつの間にか満面の笑みを浮かべ、手を叩きながら彼なりに加勢している。
まさに動くライブ会場と言っても過言ではない。
2019年5月、マダガスカル。
Taxi-brousses(タクシーブルース:長距離乗合バス)でいくつかの町を訪れた。
運転手によって音楽が選ばれるため、同じ路線に乗っていても全く異なるキャラクターの車内空間となる。
流れる曲は必ずしもマダガスカル産だけとは限らない。そう、すべてはドライバーに委ねられているのだ。
ここで、Taxi-broussesで聞いた曲をいくつか紹介しよう。
マダガスカルの風と、ドライバーの個性を感じ取ってほしい。
MIJAH (マダガスカル)
ATAOVY HOE DIHAN°MIJAH
Jaojoby(マダガスカル)
E tiako
Soha(フランス)
Mil Pasos
Psy 4 De La Rime(フランス)
Le Temps D’un Instant
Mr Sayda(マダガスカル )
Esy E Ry Malala
Kalash Feat. Capleton & Admiral T(フランス)
Laisse Brûler
他にも賛美歌やゴスペルを流しているドライバーもいた。
マダガスカルの国民のおよそ半分がキリスト教徒であるため、乗客もその曲をよく知っており、かなりの確率で口ずさむ人がいたように思う。
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