1993年、ニューヨーク・タイムズ紙によって「世界の10大レストラン」に選出された鼎泰豐(ディンタイフォン)。言うまでもなく、小籠包で名高い台湾料理店である。
1958年、台湾・台北市において食用油を取り扱う油問屋として創業した後、1972年には後に看板メニューとなる小籠包の販売を開始した。
その人気は国内外へと広がり、現在では日本をはじめとするアジア諸国や米国でも、その肉汁あふれる一品を味わうことができる。
日本で提供されている鼎泰豐の小籠包も、疑いようなく美味である。しかし、いつしかこう思うようになった――「やはり現地の鼎泰豐を訪れてみたい」と。
そして今回、念願かなって台北本店で食事を取る機会を得た。
日本のゴールデンウィーク期間中、かつ日曜日であったこともあり、本店の混雑を避け、天母店へと向かった。到着は午前11時。それにもかかわらず、すでに満席であり、30分ほど待つこととなった。
待つ時間が長くなるにつれ、期待も膨らむ一方であった。手際よく包まれていく小籠包の様子に、次第に目は釘付けとなり、「皮5g、餡16g、ひだ18枚」で供されるはずの小籠包のことしか、頭に浮かばなくなった。
そしてついに、夢にまで見た小籠包が、静かな湯気とともに運ばれてきた。
たっぷりと閉じ込められた肉汁。口の中でほとばしるその熱い肉汁。広がる旨味とともに、心まで満たされていく感覚に包まれる。
これである。私が求めていたのは、まさにこの味である。
店内の雰囲気や空気感も手伝ってか、日本で食べる鼎泰豐の小籠包よりも、何倍も美味しく感じられた。
鼎泰豐 天母店
住所 台北市中山北路六段77号地下1階 (SOGO天母店)
最寄駅 MRT芝山駅
電話番号 +886-2-2833-8900
営業時間 月曜日~金曜日 10:30~21:30 土曜日、日曜日と祝日 10:00~21:30
ホームページ https://www.dintaifung.com.tw/
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