アンコールワットで有名なシェムリアップは、世界中の旅行者が一度は訪れてみたいと考える場所である。毎年200万人以上の観光客が訪れている。一度その土地に足を踏み入れれば、たちまちクメール王朝時代にタイムスリップしたかのような感覚を覚え、その遺跡群に陶酔するのである。
アンコールワットは日の出や日没にその輝きを増し、カメラを構えずにはいられない。バイヨンの微笑みは乾いた心に癒しを与え、まるで寺院群を一飲みにしてしまいそうな巨木には驚かずにいられない。そして、我々を見つめ返してくるかのようなレリーフたち。非常に不思議な感覚に襲われるのである。
アンコールワットの持つ魅力を味わうには、現地に足を運ぶのがもちろん良いだろう。
しかし、この土地への渡航が叶わなくても悲しむ必要はない。なぜなら、我々は現地にいなくても旅の体験やそこでの生活を学べる時代に生きているからである。
「今日は渋谷で、現実逃避」をキャッチフレーズに、「スリル体験」や「シューティング」「ホラー」「リズムアクション」「恋愛シミュレーション」といった5つのオリジナルコンテンツを2017年6月より展開するハウステンボスは、海外旅行先として人気の高い世界4都市を仮想現実(Virtual Reality:VR)を通じて観光体験できるアトラクションの提供を開始した。その中の渡航先の一つにアンコールワットが含まれている。このコンテンツは株式会社エイチ・アイ・エス、Timelooperとカンボジア観光省が連携し共同開発したものである。
Timelooperは世界中にある有名な観光地の「昔」の光景や出来事、つまり「もしも歴史的出来事に立ち会うことができたのなら」を、VR動画によって実現することを目指している。彼らが伝えたいのは、旅の感動の先にある過去の忘れられない出来事を人々に提供したいということである。
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