外務省はこの度ゴルゴ13ことデューク東郷に海外における安全対策のための指導を依頼したことが発覚した。(2017年3月22日)
ゴルゴ13と言えば卓越した身体能力と鍛錬されたマインドを持ち狙った獲物は逃がさないとして国際的にも恐れられている特級レベルのスナイパー。そんな彼に今回のミッションを依頼したのには、いよいよ現在の状況を彼らだけでは解決することができずこの常に危険やリスクと隣り合わせのプロフェッショナルに指導を仰がざるを得なかったと言う背景がある。
日本人が海外に出て働く機会が増えたことも要因にはあろうが、最近在外邦人が色々な事件、事故に巻き込まれることが多くなってきている。土地や地域を越えテロ事件は発生するし、駐在員や彼らの集まるオフィスや住宅地は残念ながらテロリストの恰好の的となっている。
1996年に発生した在ペルー日本大使公邸占拠事件は20年以上前の出来事とは言え、その規模の大きさと事件解決の瞬間のニュース映像を、幼いながらに記憶しているし、2013年にアルジェリアで発生したマグリブ反乱(前年私はアルジェリアに渡航している)の残酷さに心を痛めた。
テロに巻き込まれないために、事件・事故へのリスクを回避するために何をしなくてはならないのか、そして事件の被害者となってしまったときに、どのような行動を取らなければならないのか。
デューク東郷は安全のための策を伝授するターゲットとして中堅・中小企業への従事者をメインターゲットと選び、眼光鋭く教育していくという。指導中の居眠りなどは、どこから弾丸が飛んでくるかわからないし命が危険にさらされるため、絶対に避けるべきだろう。
なお、デューク東郷のこのミッションとその取組の結果については、ありがたいことに外務省から毎週1回マニュアルとして共有されることとなっている。マニュアルと聞くとなんだか堅苦しく、読んでいるうちに眠たくなるし、そもそも分厚く読み解くのにも時間と労力が半端なくかかるという印象が強いかもしれない。でも、そこは外務省も考えた。今回、より多くの人に、より身近なものとして読んでもらうことを目的とし、報告書をマンガベースで作成してくれるという。
誰もが海外渡航の機会が与えられるようになった今、我々旅行者も他人事としてとらえるのではなく、今一度最低限必要な安全対策を見直すべき時なのかもしれない。これをきっかけとし、楽しく海外で生活を送れるよう祈る。
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